朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領がオバマ米大統領との首脳会談のため、あす出国する。大統領就任後、同盟国の米国を最初に訪問する外交的慣例に基づくものだが、時期的に朴大統領の今回の訪米は非常に重要な意味を持つ。今年は韓米同盟60周年となる年だ。韓国戦争(1950-53)終戦60周年でもある。韓国の新しい指導者と米大統領のあいさつレベルを超え、韓米同盟と韓半島の過去を振り返りながら未来を眺望する歴史的な意味を帯びている。
ちょうど韓半島を含む北東アジア情勢は今、極度の不安定性を露呈している。体制の矛盾と危機を克服するために北朝鮮は核とミサイルで周辺国を脅かし、緊張を高めている。核兵器で韓国を脅迫し、米国に圧力を加える“人質戦略”を露骨化している。南北関係が冷え込み、交流と協力の最後の象徴である開城(ケソン)工業団地までが閉鎖の危機に直面している。
日本は日本で軍国主義的侵略の歴史を否認し、平和憲法の改正と再武装に拍車を加えている。安倍晋三内閣の国粋主義的な動きが加速する場合、日本は北東アジアの平和と安定の最大脅威要因になる公算が大きい。世界2位の経済大国に浮上した中国は、それにふさわしい軍事力の増強を通じて、東アジアにおける米国の主導権を脅かしている。尖閣諸島(中国名・釣魚島)領有権をめぐる日中葛藤は軍事的衝突に飛び火するおそれもある。中国の浮上に対抗して「アジア回帰」を宣言した米国は、領域内の同盟国との結束で対中牽制を強化している。偶発事故や瞬間的な判断が北東アジアの地殻変動を起こしかねない危険な局面だ。
こうした状況で、朴大統領は国家安保を固めながらも、韓半島分断体制の副作用と負担を最小化し、統一基盤を築く重大な責務が与えられている。韓国が直面したジレンマ的な状況を打開する礎石は韓米同盟だ。過去60年間、韓米同盟が安保と経済発展の土台となったように、今後もしばらく韓米同盟は韓半島の平和と安定、繁栄の礎石の役割をしなければならない。
もちろんこの60年間に韓国の地位は大きく変わった。もう弱小国でない。一方的な対米依存関係から抜け出し、今はお互い利益をやり取りする互恵的関係に発展した。国際秩序と周辺環境も根本的に変わった。冷戦はかなり以前に終わり、中国が急激に浮上中だ。韓国の地位の変化と国際環境の変化に合わせ、韓米同盟の性格を調整するのは当然のことだ。価値と利益を共有するグローバルパートナーシップが、進化する韓米同盟の望ましい未来像だと考えられる。両国首脳が採択する「同盟60周年共同宣言」と朴大統領の上・下院合同会議演説は、韓米同盟の未来ビジョンを提示する良い機会になるだろう。
北核を含む韓半島問題は、今回の首脳会談で朴大統領が心血を注ぐべき最も重要な議題だ。北核問題の解決に向けた過去20年間のすべての努力が水の泡となり、いまワシントンは深刻な無力感と疲労感を見せている。平壌(ピョンヤン)との対話と交渉を主張するのが難しい雰囲気だ。北朝鮮が先に具体的な行動で非核化の意志を見せるまでは対話に応じないというのが、ホワイトハウスの断固たる立場だ。挑発に対する補償性格の対話は絶対にしないということだ。イラン・シリアなど中東問題に押され、優先順位でも後回しになっている。韓国の主導的役割を期待するワシントンの雰囲気は、韓国には挑戦であると同時に機会だ。
朴大統領はオバマ大統領に対し、北核は米国にとって不拡散という原則の問題だが、私たちには生存の問題という点を刻印させ、北核の優先順位から押し上げなければならない。また北核は韓国の努力だけで解決できる問題ではなく、米国と中国が心を決めて一緒に動いてこそ解決できる問題という点を説得しなければならない。オバマ大統領と習近平・中国国家主席が協力して韓半島の非核化を実現すれば、これは北東アジアの平和はもちろん、米中関係の発展のためにも大きな機会になるという点を認識する必要がある。そのためには、朴大統領は韓半島問題の根本的解決のため、自分の構想を持ってワシントンに行き、虚心坦懐に対話をしなければならない。
朴大統領は韓半島信頼プロセスと北東アジア平和協力構想(別名ソウルプロセス)をオバマ大統領に説明し、支持を要請する計画という。過去の政府の対北朝鮮政策が南北関係と北朝鮮非核化の徹底した連係だったら、韓半島信頼プロセスは両者の柔軟な連係といえる。相関関係のあいまいさをめぐる韓米間の葛藤の可能性に対する懸念がワシントンの一部で提起されているだけに、朴大統領は明確な説明で誤解の余地を取り除く必要がある。南北関係の改善なしに北核問題の解決は難しいという点を納得させなければならない。
今回の首脳会談の予定時間は40分にすぎない。昼食まで含めても両首脳が深みある対話ができる時間は限られている。したがって何よりも重要なのは、朴大統領とオバマ大統領が人間的な共感を通じて信頼を築くことだ。率直な対話でお互い信頼できる人間的関係を構築しなければならない。決められた脚本通りに進行される儀礼的な性格の会談で終えるには、今回の首脳会談が持つ意味はあまりにも大きい。朴槿恵-オバマ関係の最初のボタンをうまく掛ける首脳会談の成功を期待する。
ちょうど韓半島を含む北東アジア情勢は今、極度の不安定性を露呈している。体制の矛盾と危機を克服するために北朝鮮は核とミサイルで周辺国を脅かし、緊張を高めている。核兵器で韓国を脅迫し、米国に圧力を加える“人質戦略”を露骨化している。南北関係が冷え込み、交流と協力の最後の象徴である開城(ケソン)工業団地までが閉鎖の危機に直面している。
日本は日本で軍国主義的侵略の歴史を否認し、平和憲法の改正と再武装に拍車を加えている。安倍晋三内閣の国粋主義的な動きが加速する場合、日本は北東アジアの平和と安定の最大脅威要因になる公算が大きい。世界2位の経済大国に浮上した中国は、それにふさわしい軍事力の増強を通じて、東アジアにおける米国の主導権を脅かしている。尖閣諸島(中国名・釣魚島)領有権をめぐる日中葛藤は軍事的衝突に飛び火するおそれもある。中国の浮上に対抗して「アジア回帰」を宣言した米国は、領域内の同盟国との結束で対中牽制を強化している。偶発事故や瞬間的な判断が北東アジアの地殻変動を起こしかねない危険な局面だ。
こうした状況で、朴大統領は国家安保を固めながらも、韓半島分断体制の副作用と負担を最小化し、統一基盤を築く重大な責務が与えられている。韓国が直面したジレンマ的な状況を打開する礎石は韓米同盟だ。過去60年間、韓米同盟が安保と経済発展の土台となったように、今後もしばらく韓米同盟は韓半島の平和と安定、繁栄の礎石の役割をしなければならない。
もちろんこの60年間に韓国の地位は大きく変わった。もう弱小国でない。一方的な対米依存関係から抜け出し、今はお互い利益をやり取りする互恵的関係に発展した。国際秩序と周辺環境も根本的に変わった。冷戦はかなり以前に終わり、中国が急激に浮上中だ。韓国の地位の変化と国際環境の変化に合わせ、韓米同盟の性格を調整するのは当然のことだ。価値と利益を共有するグローバルパートナーシップが、進化する韓米同盟の望ましい未来像だと考えられる。両国首脳が採択する「同盟60周年共同宣言」と朴大統領の上・下院合同会議演説は、韓米同盟の未来ビジョンを提示する良い機会になるだろう。
北核を含む韓半島問題は、今回の首脳会談で朴大統領が心血を注ぐべき最も重要な議題だ。北核問題の解決に向けた過去20年間のすべての努力が水の泡となり、いまワシントンは深刻な無力感と疲労感を見せている。平壌(ピョンヤン)との対話と交渉を主張するのが難しい雰囲気だ。北朝鮮が先に具体的な行動で非核化の意志を見せるまでは対話に応じないというのが、ホワイトハウスの断固たる立場だ。挑発に対する補償性格の対話は絶対にしないということだ。イラン・シリアなど中東問題に押され、優先順位でも後回しになっている。韓国の主導的役割を期待するワシントンの雰囲気は、韓国には挑戦であると同時に機会だ。
朴大統領はオバマ大統領に対し、北核は米国にとって不拡散という原則の問題だが、私たちには生存の問題という点を刻印させ、北核の優先順位から押し上げなければならない。また北核は韓国の努力だけで解決できる問題ではなく、米国と中国が心を決めて一緒に動いてこそ解決できる問題という点を説得しなければならない。オバマ大統領と習近平・中国国家主席が協力して韓半島の非核化を実現すれば、これは北東アジアの平和はもちろん、米中関係の発展のためにも大きな機会になるという点を認識する必要がある。そのためには、朴大統領は韓半島問題の根本的解決のため、自分の構想を持ってワシントンに行き、虚心坦懐に対話をしなければならない。
朴大統領は韓半島信頼プロセスと北東アジア平和協力構想(別名ソウルプロセス)をオバマ大統領に説明し、支持を要請する計画という。過去の政府の対北朝鮮政策が南北関係と北朝鮮非核化の徹底した連係だったら、韓半島信頼プロセスは両者の柔軟な連係といえる。相関関係のあいまいさをめぐる韓米間の葛藤の可能性に対する懸念がワシントンの一部で提起されているだけに、朴大統領は明確な説明で誤解の余地を取り除く必要がある。南北関係の改善なしに北核問題の解決は難しいという点を納得させなければならない。
今回の首脳会談の予定時間は40分にすぎない。昼食まで含めても両首脳が深みある対話ができる時間は限られている。したがって何よりも重要なのは、朴大統領とオバマ大統領が人間的な共感を通じて信頼を築くことだ。率直な対話でお互い信頼できる人間的関係を構築しなければならない。決められた脚本通りに進行される儀礼的な性格の会談で終えるには、今回の首脳会談が持つ意味はあまりにも大きい。朴槿恵-オバマ関係の最初のボタンをうまく掛ける首脳会談の成功を期待する。
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