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1兆6千億ウォンの核心技術、韓国から中国に流出直前で阻止

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
昨年9月末、L社システムエアコン事業部のエンジニアリングチーム。週末の明け方で警備が緩く人もいない事務所にチーム長と部下のチーム員1人が現れた。彼らは自身のPCに入っていた資料をノートパソコンにコピーした。それとともにPCに保管していた資料はすべて削除した。研究結果が入れられたファイルボックス8個も持ち出した。彼らがコピーしたのはL社が649億ウォン、政府が86億ウォンを投資して開発したビル用エアコンの核心技術だ。これは世界最大容量のシステムエアコン技術で、業界では今後3年間に1兆6000億ウォンを稼げるものと評価される。彼らはその翌月にマカオで中国の競合会社関係者と会って交渉した。交渉後に帰国した彼らは会社側に技術資料を担保に「29億ウォンを出せ」と脅迫までした。

しかし彼らは技術資料を中国に渡すことも、会社から金を取ることもできなかった。9月末に関連情報を入手した国家情報院に尻尾を捕まれたのだ。国家情報院は事案の緊迫性を考慮し集中内偵調査を通じて犯行の一切を確認した後ソウル中央地検に引き渡した。2人は検察の家宅捜索の過程でノートパソコンを花壇の外に投げ捨てるなど証拠隠滅も試みたが結局拘束された。

ソウル中央地裁は23日、チーム長に懲役2年、チーム員に懲役4年を宣告した。平凡なエンジニアであった彼らが産業スパイに急変したのは会社の金数億ウォンを引き出した事実が摘発されてからだ。彼らは2009年6月から昨年5月にかけてそれぞれ妻と内縁の妻の名義で会社を作り、2カ所で翻訳サービスを受けたように見せかけて3億1000万ウォン余りを不正に得ていた。また、ソフトウェアを購入して国策カードで決済した後で購入先から代金の70%を払い戻してもらう形で3億6000万ウォンを横領した。このような形で会社に総額8億ウォンの損害を及ぼした。彼らはこうして得た金を海外でのギャンブルとブランド品購入で使い果たした。彼らの行為は昨年9月に会社の独自監査で明るみに出た。


国家情報院産業機密保護センターがこの5年間に摘発した技術の違法な海外流出は202件に達する。2008年から2011年まで毎年平均40件余りずつ摘発され昨年は30件に減った。これに対して捜査当局は「産業スパイ事件の発生自体が減ったというより、技術流出犯罪がますます知能化・先端化されているため」と説明した。

この5年間に摘発した202件ののうち電機電子技術が68件で34%と最も多かった。産業技術を持ち出したのは元社員が122件(60%)で最多だった。現職社員が40件(20%)、協力企業社員が24件(12%)の順だった。元社員と現職社員が80%と多くの産業スパイが会社内部の人だった。大企業は2008年以後毎年技術流出件数が減っているが、中小企業は反対に増える傾向だ。大企業は着実にセキュリティ投資をしてきたが、中小企業は技術保護投資の余力がないためというのが国家情報院の分析だ。

最近では流出手法と手段も非常に多様化している。過去にはUSBメモリーやハードディスクなど記憶媒体または電子メールやウェブハードなどのネットワークが主に活用された。しかし最近ではカード型USBをクレジットカードに偽装したり、超小型USBをベルトのバックルや靴底に隠すなど新種の手法が登場している。



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