最近、中国の映画界を涙の雨にしてしまった映画がある。12日に封切りした韓中合作映画『別れの契約(A Wedding Invitation、分手合約)』だ。中国で撮影し、全て中国の俳優が出演したので明らかに中国映画だ。ところがこれを見た中国人の観客は、すぐにストーリーが陳腐な韓国メロドラマということに気付く。ところが、グチは言いながらも思う存分泣けたと言って有り難がる。とても悲しくて感動的だという賛辞も惜しまない。ひと言で大当たりだということは数字が示している。封切り2日で製作費3000万元(約54億ウォン、約4億8000万円)を回収した。中国のロマンス映画で史上最高記録だ。19日現在、1億元を稼いで中国ボックスオフィス1位も守っている。秘訣は何だろうか。
まず最初に、企画と演出のバランスだ。監督は『ラストプレゼント』、『ナンパの定石』などで知られる韓国のオ・ギファン氏が引き受けた。一部スタッフはやはり韓国人だ。それで映画の背景は『秋の童話』を連想させるほどパステル色の雰囲気が充満している。その代わりに俳優は当代中国最高の青春スターを選んだ。韓国の感性を、中国スターを通じて演出し、中国人の心をつかんだのだ。 2番目、韓国と中国側が半分ずつ投資した。中国側の投資額が30%以上であり中国俳優を使ってこそ、中国映画として分類されて大陸上映に制約がないという点を考慮したのだ。中国では毎年50編以上の外国映画を上映できないよう規制している。このうちの韓国映画は2編に過ぎず、事実上、韓国映画の中国進出は不可能だ。
3番目、陳腐なストーリーだけれども最も韓国的なものが最も競争力があるという確信だ。映画は高校時代に好きだった男女が5年ぶりに再会したが、癌にかかった女の主人公が離別を伝えるという内容だ。もちろん女は死んで男は嗚咽する。ありふれた韓流ロマンス映画の公式そのままだ。ところが製作スタッフは、中国映画は“ハッピーエンド”ストーリーが基本だという事実に注目した。そのハッピーエンドをサッド(sad、悲しい)エンディングに変えたのが功を奏した。それで観客は映画が終わった後に、さっぱりするというより、もの悲しい気持ちで映画館を出る。日常が憂鬱な時にまた見たいという観客も多い。陳腐さを創造的に見通した結果だ。
4番目、涙の希少性に注目した。中国人は祖国のために犠牲になった戦死の話やあらゆる困難を克服して一族を輝かせて親孝行する子供の話のほかには特に涙を流さない。多様性よりも画一性になじむ社会主義文化と関係がなくはない。そこで製作スタッフは、ロマンス映画で中国人の感性を懐柔させてみることにしたのだ。だから言う話なのだが、この映画を北朝鮮に輸出したらどうだろうか。分別がない金正恩(キム・ジョンウン)が涙でもちょっと流せば、人類の生命を脅迫するあの狂暴的な挑発性が少しでも純化されないかと思うからだ。
チェ・ヒョンキュ北京総局長
まず最初に、企画と演出のバランスだ。監督は『ラストプレゼント』、『ナンパの定石』などで知られる韓国のオ・ギファン氏が引き受けた。一部スタッフはやはり韓国人だ。それで映画の背景は『秋の童話』を連想させるほどパステル色の雰囲気が充満している。その代わりに俳優は当代中国最高の青春スターを選んだ。韓国の感性を、中国スターを通じて演出し、中国人の心をつかんだのだ。 2番目、韓国と中国側が半分ずつ投資した。中国側の投資額が30%以上であり中国俳優を使ってこそ、中国映画として分類されて大陸上映に制約がないという点を考慮したのだ。中国では毎年50編以上の外国映画を上映できないよう規制している。このうちの韓国映画は2編に過ぎず、事実上、韓国映画の中国進出は不可能だ。
3番目、陳腐なストーリーだけれども最も韓国的なものが最も競争力があるという確信だ。映画は高校時代に好きだった男女が5年ぶりに再会したが、癌にかかった女の主人公が離別を伝えるという内容だ。もちろん女は死んで男は嗚咽する。ありふれた韓流ロマンス映画の公式そのままだ。ところが製作スタッフは、中国映画は“ハッピーエンド”ストーリーが基本だという事実に注目した。そのハッピーエンドをサッド(sad、悲しい)エンディングに変えたのが功を奏した。それで観客は映画が終わった後に、さっぱりするというより、もの悲しい気持ちで映画館を出る。日常が憂鬱な時にまた見たいという観客も多い。陳腐さを創造的に見通した結果だ。
4番目、涙の希少性に注目した。中国人は祖国のために犠牲になった戦死の話やあらゆる困難を克服して一族を輝かせて親孝行する子供の話のほかには特に涙を流さない。多様性よりも画一性になじむ社会主義文化と関係がなくはない。そこで製作スタッフは、ロマンス映画で中国人の感性を懐柔させてみることにしたのだ。だから言う話なのだが、この映画を北朝鮮に輸出したらどうだろうか。分別がない金正恩(キム・ジョンウン)が涙でもちょっと流せば、人類の生命を脅迫するあの狂暴的な挑発性が少しでも純化されないかと思うからだ。
チェ・ヒョンキュ北京総局長
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