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【コラム】中国にサムスンだけを研究する組織あるが、韓国には…

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
今月初め中国・海南島で開催された博鰲フォーラムに出席した李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長は、帰国した際、空港で記者らに対し「中国に驚いた」と語った。「中国企業が運営する研究所があるが、そこにはサムスンだけを研究するタスクフォース(TF)チームがあると聞いた」と説明した。中国がサムスンのことを詳細に知っているということだった。李副会長は「責任感を感じる」と語った。

中国のサムスン研究は新しいことではない。後発企業が先行企業を研究するのは当然ともいえる。それでも李副会長が責任感を感じたのは、油断すれば中国に追い越されるという考えのためだったはずだ。韓国最高企業のサムスン電子も今は中国企業を意識しなければならない時になったのだ。ここで一つ疑問が出てくる。「では韓国は果たして中国企業のことをどれほど知っているのだろうか」という点だ。

情報技術(IT)分野の多くの専門家は「サムスン電子の未来のライバルはアップルでもグーグルでもなく華為(ファーウェイ)」と話す。中国の多国籍IT企業・華為の技術追撃と市場シェアのためだ。25年前に電話交換機でスタートした華為は現在、世界最大通信企業をめぐりエリクソンと競争し、スマートフォン分野では開発2、3年で3位に浮上し、1位のサムスンの牙城を脅かしている。しかし私たちは華為をあまり知らない。「低価格戦略」「売上高の10%をR&D(研究開発)投資」 「農村から始まり都市に進出する戦略」など表面的な分析にとどまっている。私営企業の華為が政府とどんな関係を維持しているのか、人事・組織管理はどう運営されているのか、海外マーケティング技法はどう吸収したのかなど、その内部に対する研究は十分でない。レノボ・ZTEなど華為より一段階低い企業に対する研究はさらに少ない。IT分野だけではない。自動車・船舶・機械・化学などほとんどの領域で、韓国企業は中国企業の追撃を受けたり、激しく競争中だが、私たちは“敵”を知らない。


わずか数年前まで韓日中3カ国の産業は「協力パラダイム」で形成されていた。日本が先端製品を作り、韓国が中・高級技術に特化し、中国は低技術製品と組み立てを担当するという構造だった。しかし今は無限競争の時代だ。技術で武装した中国が「今後は全部する」とし、分業構造が崩壊しているのだ。産業構造が似た韓日中3カ国企業の間で死活をかけた戦争が繰り広げられるしかない。この競争で負けた企業は舞台から降りるしかない状況だ。

中国は「サムスン研究TF」まで設置し、私たちを研究しているが、私たちは中国をあまり知らない。誰が勝つか、答えは明白だ。中国に「サムスンだけを研究する組織」があるのなら、韓国には「華為だけを研究する組織」がなければならない。それが東アジアの産業戦争に備える道だ。

ハン・ウドク中国研究所所長



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