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【取材日記】日本・旭山動物園と韓国・金泉医療院、そして晋州医療院

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
人口30万人にならない日本・旭川にある市立旭山動物園は国際的な観光名所だ。規模が小さく、交通アクセスもよくないが、動物園は年間300万人以上の観覧客で混みあう。15年間にわたり経営難に苦しみ、閉園の危機に直面していたが、飼育係出身の小菅正夫園長が就任した後、職員が一丸となって立て直した結果だ。小菅園長は公務員の身分で惰性に流されていた職員を説得し、一緒に努力した末、他の動物園との差別化だけが生き残る道だという結論を得た。その結果、水槽トンネルを造成してペンギンを客の頭の上で泳がせ、「ペンギン=鳥」という事実を悟らせたほか、ガラスを挟んで猛獣と目を合わせ交感できるようにするなど、革新的な展示方法を考案した。職員全員が変化の主体となり実践することで成功した例だ。

経営不振のため閉鎖危機を迎えた公共機関が再生した例は身近にもある。24年間にわたり一度も黒字を出せなかったが、今では全国唯一の黒字公共病院となっている金泉(キムチョン)医療院がその例だ。09年に就任したキム・ヨンイル院長(59)が率先垂範のリーダーシップで、労組の影響下にいた職員を説得して団結した結果、サービスの質を高め、病院を再生させたケースだ。

廃業の岐路に立った晋州医療院にもこういう機会がなかったわけではない。しかし職員は自らこうした機会を蹴った。昨年6月、金泉医療院再建のもう一人の主役だったパク・ウヒョン・チーム長(41)を経営改善室長として迎え入れようとしたのを、職員が“労組破壊専門家”として反発し、阻止したのだ。労組は当時、パク氏を迎え入れない条件で経営改善計画に合意したが、現在まで実践されたことはほとんどない。洪準杓(ホン・ジュンピョ)慶尚南道知事が廃業という劇薬処方を持ち出したのも、回復努力を無視する職員の姿に挫折した結果だったはずだ。


18日に慶尚南道議会で解散を明示した条例改正案が通過すれば、すぐに清算手続きに入る。その場合、事態は労働界と野党が介入する陣営争いに飛び火する可能性が高い。第2の韓進重工業事態に広がり、莫大な社会的費用を支払うことになるかもしれない。「職場のない労組」がどれほど空しいものか、私たちは復職後すぐに無給休職に入った韓進重工業の職員の例から知っている。そうなる前に晋州医療院の労使はウィンウィン(win-win)の答えを見いだすために額を合わせる必要がある。

解決法はすでに出ている。経営陣と職員が団結して骨身を削る自助努力をし、新しい病院に生まれ変わること、それこそが金泉医療院や旭山動物園が見せた解決法ではないのか。

ファン・ソンユン社会部門記者



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