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行動・声・精神分析から見た「29歳・金正恩」の挑発心理(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記

最近、世界の視線が“この男”に向いている。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記のことだ。北朝鮮は「米国本土を直接攻撃し、韓国と米国を相手に核戦争も辞さない」という言葉を繰り返している。韓米の大きな譲歩を引き出そうとするチキンゲームなのか、29歳の若い指導者の稚気を帯びた威勢か。それとも権力を固めようという試みなのか。

韓米日はもちろん、世界各国の主要情報機関は金正恩の隠れた意図を把握しようとしている。しかしこれまではこれといった答えを出せていない。金正恩について知られている情報が少ないからだ。米中央情報局(CIA)の北朝鮮専門家だったジョセフ・ディトレニ・ミズーリ州立大学教授は「彼の年齢が28歳、29歳かも分からない。西欧社会はもちろん、北朝鮮の友邦の中国にもあまり知られていない」と話すほどだ。カメラの前では米プロバスケット(NBA)スターだったデニス・ロッドマンと談笑し、裏では戦争の準備を指示する2つの顔の男として浮き彫りになっている。

中央SUNDAYは各界専門家の支援を受け、金正恩の行動・声・精神分析をした。立体的分析を通じて金正恩の心理状態を推定するためだ。これはまた北朝鮮が豪語する核戦争ゲームの内心の把握にもつながる。


◇右手はナポレオンのようにコートのポケットに

冷戦時代、CIAなど西側情報機関は共産圏の指導者を分析する際、宣伝映像をよく活用した。情報が限られているため、画面に表れた行動を観察しながら、該当人物の心理状態を推定した。

順天郷大の呉允盛(オ・ユンソン)教授(警察行政学)は、今年に入って金正恩が登場した10件の朝鮮中央テレビを似た方式で分析した。金正恩の表情・目・ジェスチャーなどを見れば、無意識心理が分かるという。

呉教授は「金正恩は指導者の姿を見せようとする行動意志が強い」と評価し、「指導者としての信念と確信を持っていて、周辺の人々によってさらに強化されているところだ。しかしある瞬間、無意識的に不安感を表出することがある」と述べた。

例えば金正恩が先月29日の夜中に、最高司令部として李永吉(リ・ヨンギル)総参謀部作戦局長など軍幹部を集めて緊急会議を開いた場面だ。当時、米国がB2ステルス爆撃機を動員することについて対策を議論する席だったと推定される。ここで金正恩は自分より高齢の参謀を立たせておいて会議を進めた。また灰皿をそばに置いてたばこを指に挟んだ。呉教授は「父ほどの年齢の参謀と軍幹部を掌握しているということを北朝鮮内部で誇示しようという狙い」と分析した。

金正恩はボタンが2列のコートを好んで着る。第2次世界大戦当時、ドイツ軍将校はボタンが2列のトレンチコートを着ていた。1列のコートよりはるかに権威的なイメージを与える。金正恩は祖父(金日成主席)と父(金正日総書記)を真似る姿をよく見せてきた。歩くときは腹を出し、外股だ。普通、左手はポケットに入れることが多い。右手で指示を出すが、そうではない場合はコートの前ボタンの間に手を入れる“ナポレオン姿勢”を取る。呉教授は「金正恩が欧州で育った時、ナポレオンと自分を同一視した可能性が高い」と話した。

金正恩は先月、大きくて安全な軍艦の代わりに、木船に乗って西海5島近くの長在島・茂島・ウォルレ島を相次いで訪問した。ある目的を達成するために苦痛が伴う体験を自発的にすれば、大衆にはその過程が魅力的に映るものだ。呉教授は「危険なことをして誇る青少年期の心理がまだ作用しているとみられる」と語った。

金正恩は正統性の確保という意味で、祖父・金日成(キム・イルソン)に似るように整形手術を受け、わざと太ったという噂がある。「考えられる」というのが呉教授の評価だ。金正恩は何かにもたれる傾向がある。室内ではいつも家具の近くにいる。先月11日、ウォルレ島防御隊からブリーフィングを受けながらも、地図を開いた机にもたれていた。呉教授は「もともと肥満体型ではなく、最近、体重が大きく増えたという傍証」と話した。また「金正恩は軍の作戦について知らないが、よく知っているように行動しようとする強迫観念がある」と分析した。

軍部隊で指示をする際、別の場所に比べて身振りが大きい。金正恩は指揮棒を持った時、普段より険しく鋭い表情を見せる。しかし人民軍部隊視察中に拳銃で狙うふりをした後、すぐに部下に拳銃を渡した。北朝鮮の官営メディアは射撃術を指導したと報道したが、呉教授の評価は違う。呉教授は「弾丸は指導者同志(金正恩)を配慮しない。本当の射撃の実力がばれるのを恐れたのではないだろうか」と指摘した。

金正恩は先月24日、万景台革命学院と康盤石革命学院の学生のコートの見本を点検した。実際に服を触ってみる行動が非常に自然で真剣だった。呉教授は「他国の平凡な20代の若者のようにデザインやファッションに関心を持っている心理が表出した」と述べた。

(中央SUNDAY第318号)



行動・声・精神分析から見た「29歳・金正恩」の挑発心理(2)

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