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【コラム】北朝鮮の“言葉爆弾”は金正恩“度胸”宣伝(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
おもしろいのは先月4日付2面に掲載された「金正恩の板門店(パンムンジョム)訪問」記事だった。2000字以上の記事は、金正恩の“度胸”を繰り返し強調した。「敵と銃口を向け合っている激戦前夜の最前方の板門店に、それも明るい昼間に、敬愛なる元帥様が来られるとは、いったい誰が思っていただろうか」という式だ。

この記事は、昨年8月に西海(ソヘ、黄海)の延坪島(ヨンピョンド)と向き合う長在島と茂島を訪問したエピソードなどを入れ、1年間に金正恩が見せた“度胸”を最大限に“称賛”している。

金正恩はこの記事が出た3日後、長在島と茂島をまた訪問した。8日付の労働新聞は1面全体でこの事実を報道し、2面には橋もない島に小舟に乗って到着した金正恩を軍人が熱烈に歓迎する姿の写真が載せられた。またも“度胸”を見せたのだ。


12日付にペクリョン島の向かい側の月乃島を訪問した内容、14日付にペクリョン島と大延坪島を狙った砲射撃訓練の指導、21日付に巡航ミサイル迎撃訓練の指導、23・24・25日付に軍部隊訪問、27日付に東海岸上陸訓練の指導などが続いた。

29日付は、この日未明、金正恩が作戦会議を招集し、米国本土とハワイ・グアムと韓国米軍基地を打撃できるよう待機状態に入ることを指示した、という報道だった。金正恩が国の運命を左右する決定も下す可能性があることを誇示した記事だった。一連の記事は、金正恩が“度胸”を持って先頭に立ち、米国の軍事的圧力に真っ向から立ち向かうというイメージづくりに焦点を合わせている。

しかしここまでだ。その後から11日まで、労働新聞は金正恩の軍関連活動を報道していない。なぜか。記者は、北朝鮮労働党宣伝扇動部が度胸ある軍事指導者の金正恩の姿を十分に宣伝したと判断したためと考えている。今回の“大決戦”をひとまず終えたのだ。韓米合同軍事演習が終わる時期も近づき、これ以上の“誇らしい報道”をするのも難しくはないだろうか。

カン・ヨンジン論説委員



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