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千英宇氏「北に全面戦の能力はない、言葉だけの威嚇だ」(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

「北に全面戦の能力はない」と話す千英宇氏。

「北朝鮮の脅迫がただちに軍事挑発につながる可能性はない。内憂外患が重なった状況でわれわれを手なずけようとする意図であり冷静に対応すれば良い」。

千英宇(チョン・ヨンウ)元青瓦台(チョンワデ、大統領府)外交安保首席秘書官は6日、中央SUNDAYとの緊急インタビューで、「北朝鮮がいま高強度の脅迫戦を行うのは、民心が離反するなど内部がいつになく複雑で切迫しているため」としてこのように診断した。北朝鮮の開城(ケソン)工業団地閉鎖威嚇と平壌(ピョンヤン)駐在外国大使館撤収勧告に対し千氏は、「コンプレックスから出た脅迫だが、実際の行動に移す可能性は小さい」と話した。

1977年に外交官試験11期で外交官の道に入った千氏は、李明博(イ・ミョンバク)政権で外交通商部第2次官と外交安保首席秘書官を歴任し、今年2月24日まで対北朝鮮政策を調整してきた。


――北朝鮮が異例的に毎日脅迫を浴びせているが実際に挑発する可能性は。

「北朝鮮は脅迫を常習的にする集団だ。現在の脅迫が過去より強度が高いのは、まず3度目の核実験にともない安保理制裁と韓米連合訓練を同時にやられているためだ。また、朴槿恵(パク・クンヘ)政権発足を契機に韓国を手なずける最後のチャンスだとみているのかもしれない。過去5年間のようにやられるのではなく、今回の機会に対北朝鮮政策を変えさせなければという考えだ。われわれをテストしようとするものだ。また、北朝鮮の内部情勢がいつになく複雑で切迫した状況だ。こうした状況であるほど脅迫のレベルは高まる。しかし脅迫をたくさんするほど挑発する可能性は小さくなる。挑発はわれわれの虚を突いてこそ成功するもので、このように親切にあらかじめ知らせれば成功しない」

――挑発する可能性はまったくないということなのか。

「国際社会に対する挑発、すなわち核実験や長距離ミサイル試験はすることができる。今回出てきた安保理制裁はあまりにも弱く、北朝鮮を防ぐには非常に足りない。北朝鮮は安保理制裁が言葉だけ騒がしいだけで何でもないという自信を得ただろう。韓国政府すら追加制裁をしなかったことを見て脅迫する勇気を得たようだ」

――安保理制裁はそんなに弱いのか。

「北朝鮮が3度目の核実験をしたのに国際社会は追加制裁を積極的にしていない。安保理制裁原案にはさらに強力な措置が入ってはいた。だが、韓国政府を含めみんな実行しなかった。対北朝鮮政策に余地を残そうとする意図であったようだがよくわからない。いまは安保理制裁で北朝鮮の挑発を防ぐことは到底望めない」



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