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【中央時評】朴槿恵大統領は創意的だろうか(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
3Mには「ブートレギング」という独特のルールがある。禁酒法時代に長靴の中に酒瓶を隠して持ち歩いた不法行為をまねた規則だ。この会社のすべての社員は勤務時間の15%を自分の好きなように研究することができる。上司に報告したり許可を受ける必要もない。上から中止しろと指示された研究まで秘密裏に進めることができる。失敗を推奨するものの、失敗の経験は必ず共有するように制度化したのだ。

このところ創造経済と創意教育をめぐる話が多い。青瓦台(チョンワデ、大統領府)担当首席秘書官と未来創造部長官もその概念が何か煮え切らずセヌリ党に非難された。別の見方をすれば当然のことだ。創意性自体が「役に立つ新しい何かを開発する」というあいまいな概念であるためだ。キム・ウシク元延世(ヨンセ)大学総長はこのように話した。「創意性教育を受けた後に『もう創意性が何か感覚をつかんだ』とすれば何か間違っている。『創意性が何かますますわからなくなった』という反応が出てきてこそまともな教育を受けたものだ」。

むしろ問題は創意性を持ち出した朴槿恵(パク・クンヘ)政権が本当に創意的なのかこんがらがるという点だ。創意性の最初の条件は傾聴だ。いくらとんでもないアイデアも傾聴しなければならず、正確に評価する作業が重要だ。ボッティチェリの不思議な絵を再評価したラスキンのようにだ。このような点から青瓦台秘書室長が首席秘書官に「(大統領の発言を)書き取るばかりではなく指摘もし、建議も少しはするように」と促したのはただ事ではない。大統領の指示が「1番目、2番目、3番目」と番号を付けながら7000字にもなるのも大変なことだ。上意下達と一糸不乱は創意性と相克だ。いくら大統領の前だといっても果敢に「ノー」と叫ぶことができてこそ創意性が息づくことができる。


朴槿恵政権の人事をめぐる惨事を見ると失敗の経験を共有したのかも疑問だ。「17秒の報道官代読謝罪」は困惑することこの上ない。失敗の経験を勇敢に共有してこそ同じ誤りを繰り返さなくなる。それが意味のない費用を減らす道だ。最近は一個人の創意性より創意的組織を管理する指導者の創意性にさらに注目する時代だ。現在の3Mを作ったウィリアム・マックナイトの話は傾聴する必要がある。「社員に任せれば数多くの失敗を犯すことは明らかだ。しかし長く見れば経営陣が全てのものを握りああしろこうしろと強要して発生する損失に比べはるかに僅かな水準だろう」。創意的組織は勇気と信頼があってこそ可能という話だ。

イ・チョルホ論説委員



【中央時評】朴槿恵大統領は創意的だろうか(1)

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