北朝鮮が２６日に労働新聞１面で公開した軍事訓練写真（上）にねつ造疑惑が起きている。問題の写真は北朝鮮最高司令官金正恩（キム・ジョンウン）が参観した「国家級訓練（陸海軍合同上陸および反上陸訓練）」の場面だ。

中央日報は２７日付３面に掲載し、主要日刊紙と放送局も報道した。しかし中央日報写真部が、朝鮮中央通信がロイターを通じて配信した写真（下）と労働新聞の写真を比較した結果、合成と疑われる部分が複数あった。

合成疑惑の部分は上陸した空気浮揚艇の部分（赤枠）だ。上と下の写真は同じ場所で撮影された。しかし２つの写真の地形が違うことがわかる。上の写真で枠内の人民軍（黄色い円）の後には雪がほとんどない。下の写真の同じ位置には約２メートル幅の雪が右側に長く積もっている。軍人が走っていく部分の雪の形と地形を比較してみても位置は同じだが形が違う。そのため上の写真の赤枠部分を別の写真から持ってきて合成したのではないかとの疑惑を呼んでいる。


米時事誌の「アトランティック」（電子版）も２７日、上の写真に合成の跡を発見したと報道した。

同誌によると、(1)のホバークラフトをコピーし大きさを変えた後、(2)のホバークラフトの位置にペーストしたとみられ、(4)のホバークラフトもまた(3)のホバークラフトにペーストしたという。(5)のホバークラフトは周辺を丸くした跡が見られ、船体と水面が触れる部分が不自然だと明らかにした。

北朝鮮は２０１１年７月にも大同江（テドンガン）の水害状況を誇張した写真を配信したことがある。当時北朝鮮への支援を確保するために写真をねつ造したという非難を浴びた。また、スケートリンクの子どもの数を多く見せようと写真を切り貼りしたこともある。金正恩がたばこを吸う姿を隠そうとしたが煙を消さず失敗したこともある。

北朝鮮が労働新聞１面の写真までねつ造を試みようとしたとすれば、人民軍の威容を誇示し対外的に威嚇の強度を高め内部的には自国民の動揺を防ぐための目的とみられる。