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【コラム】韓国大型マート締め付けで日系企業に利益

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
最初は耳を疑った。大型マートで特定品目を売れないようにするというソウル市の発想だ。特定品目とはタマネギ、ハクサイ、豆腐、イカ、サバなど51種類だ。まさかと思ったが本当にそうするようだ。長兄格のソウル市がこうなので他の都市もまねしはじめた。

伝統市場の商人や町内の雑貨屋を助けるためのものだとソウル市は話す。勧告事項として推進するというが義務事項同然に進められる雰囲気だ。大型マートと企業型スーパーマーケット(SSM)に対してはすでに営業時間に制限を加えている。零細商人を助ける政策であることはわかるが、マートに納品する農漁民や中小企業を疲弊させるということはなぜわからないだろうか。大型マートで売るハクサイも農民が育てたものだ。販売が減れば農民が被害を受ける。消費者はハクサイを買いに駐車施設も良くない在来市場に行かなければならない。51品目のほとんどの農水産物だ。新鮮度や清潔度の維持が重要だが町内のスーパーが大型マートほどできるだろうか。市場を分ければ当然買い物時間も長くかかり消費者の不便は大きくなる。特定品目の販売禁止は世界貿易機関(WTO)の規定にも反する。

大型マートに客があふれるのは消費者にそれだけ利点が多いという証拠だ。タマネギやサバの販売禁止を支持する人は家庭でも大型マートで買い物をすることが多くないだろうか。大企業が憎いと多数の消費者に不便を及ぼす政策が話になるだろうか。


ほとんどすべての国内市場は外国資本に開いている。政府が大型マートを締めつけるとその隙間に日系流通企業が食い込んでいる。トラボックス、トライアルマート、バローマートなどが最近釜山(プサン)・慶尚南道(キョンサンナムド)地域で盛業中という。店舗面積は3000平方メートル以下だ。義務休業や営業時間制限を避けるための戦略だ。韓国資本を引き込んだ合弁法人形態もある。ある店は「日本商品を売らない」という文面まで掲げ客を呼び込んでいる。

市場は本来こうしたところだ。お金になると思えば外国資本も入ってくる。大企業を規制すればいいと思ったのにお門違いにも日系企業が利益を得ることが起こるのだ。過去に文具類を中小企業固有業種に指定して保護したところどんなことが起きたのか。国産ブランドであるモーニンググローリーが倒産し市場をジェットストリームや3Mなど外国企業がすべて掌握してしまった。中小企業保護にも失敗し市場だけ外国企業に渡した格好になった。

零細商人は善で大企業は悪という発想では困る。それでは得るものがない。零細商人もそれなりの競争力を持たなければならない。町内のスーパーも商売が上手な所がある。各自の努力やノウハウが重要だという話だ。51の零細マッコリ会社が連合したソウル長寿マッコリはソウル市場の90%を掌握している。路地商圏もこのような形の連帯と提携を通じ規模を育てブランドを作らなければならない。政府が助けるのはこういうものだ。他人が商売しているところに割り込んでああだこうだと指示するのはおかしなことだ。



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