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「砲弾のような火の玉」中学生の火遊びで浦項が火の海に=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

9日午後、浦項市竜興洞の住宅街で裏山が火に包まれている。風速10メートルの強風に乗り新興洞、鶴山洞、ウヒョン洞などに急速に広がった火は17時間後の10日午前になり鎮火した。今回の山火事で1人が死亡し14人が負傷した。

10日午後、慶尚北道浦項市竜興洞(キョンサンブクド・ポハンシ・ヨンフンドン)のウミゴル集落。路地に入るとすぐに煙のにおいが鼻を突いた。多くの住宅のスレート屋根は爆撃を受けたように落ち込み壁は黒く焦げていた。

家の中には燃え残ったごみの山と衣類などが転がっていた。ここで会った住民らは前日の火魔の恐怖に身震いした。住民のチェ・ヨンイクさんは、「火の手が家を襲う瞬間にはだしで飛び出しどうにか命を救った。一生をかけて買った家なのにいまや無一文の身になった」と胸を叩いた。チェさんはもしかして焼け残った家財道具でもないかと探してみたが無駄だった。

村に火の手が襲ったのは前日午後3時38分から。ウミゴルから500メートル離れた竜興小学校裏の塔山(タプサン)から発火した。中学生が火遊びをしてライターで落ち葉を燃やしたのが原因だった。


猛烈な風の音とともに火が集落を襲った。まつぼっくりと枯れた木の枝に燃え移った火は大人の拳ほどの大きさの火の玉になって集落を襲った。火は秒速10メートルの強風に乗り一瞬のうちに広がった。風が吹くたびに火の手に包まれる地域が増えた。竜興洞の住宅街を挟んだ塔山から水道山(スドサン)、鶴山(ハクサン)など半径4キロメートルの距離にある都心部の3つの山を1時間余りで飲み込んだ。

火の玉は山と山の間の400メートル道路を超えて転々とし被害を出した。浦項北部消防署のイ・ジェウク署長は、「飛び回る数十個の火の玉は砲弾のようだった」と話した。この日52万人の浦項市民は寝ずに夜を明かした。

集落のあちこちで火柱が上がった。緊急避難した竜興洞の150世帯200人余りの住民は倒れ咳き込んだ。チョ・ミョンジェさんは、「火がついた門を壊して家の外に飛び出した」と話した。火はあっという間にこの集落の28世帯を灰にした。

火の玉はアパート団地にも集まった。ウヒョン洞のアパートの20階にある2世帯も真っ黒に焼けた。アパート住民のキム・ミンスさんは、「ベランダの戸を開けていた最上階で火の玉が居室に飛び込み被害に遭った」と話した。

浦項市はこの日午後8時ごろに火を消し止めたと発表した。しかし午後10時ごろに火の手は再び住宅街で起こった。完全鎮火しなかった火が強い風でよみがえったのだ。このため昼間に緊急避難して家に戻っていた1500人余りの住民は再び家を飛び出さなければならなかった。住民のイ・ギテさんは、「市の話を信じて1日に2回避難した。真夜中に住民たちが驚いて悲鳴をあげるなど阿鼻叫喚だった」と話した。火は林野5万平方メートルを焼いた後17時間ぶりとなる10日午前8時30分に完全鎮火した。

この日の火災で体が不自由な70代の高齢者が室内で焼死した。住民14人はやけどを負ったり煙を吸い込み病院で治療を受けた。火は浦項市北区地域の住宅56軒を灰にした。火魔で家を失った被災者118人は集落の集会所などで臨時に居住している。

警察は山で火遊びをしていた中学生を放火容疑で拘束し調査中だ。中学生はこの日午後3時32分ごろに竜興小学校裏の山に友人2人と一緒に行き、ライターで落ち葉を焼いた。火事が起きるとすぐに119に通報した後で逃げたとしている。警察は中学生が刑法上処罰できない未成年者(満14歳未満)であることを考慮して少年部に送検する予定だ。



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