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【社説】水準が高まった北朝鮮の対南核威嚇

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮が韓国と米国に向かってまた厳しい言葉を吐き出した。毎年この時期になると常にしてきたことだ。韓米両国が毎年実施する合同軍事演習を狙いあらゆる形容詞を動員して威嚇するのだ。

ところが今度は強度が例年より少し強い。哨戒艦・延坪島(ヨンピョンド)挑発の責任者とされる金英哲(キム・ヨンチョル)偵察総局長が直接放送に登場し、いわゆる「最高司令部報道官声明」というものを朗読した。金英哲は声明で3度目の核実験の効果を最大化するための意図であるかのように「多様化されたわれわれ式の精密核打撃手段」で攻撃すると強調した。核の脅威を前面に掲げたのだ。

また、韓国戦争の休戦協定を白紙化すると主張した。これに伴い「休戦協定の拘束を受けることなく、任意の時期、任意の対象に対し制限なく決心した通りに精密打撃」するだろうと威嚇した。人民軍の板門店(パンムンジョム)代表部活動を中断し国連軍軍事休戦委員会との電話連絡も遮断すると付け加えた。


北朝鮮の今回の行動はどうにかしてでも韓半島の緊張を最高潮に高めようという意図から出たものだ。核実験のせいで国連安全保障理事会が類例のない強力な制裁決議を採択することにしたことに対し開き直るように「くやしい」と主張しようという考えもあるようだ。哨戒艦・延坪島挑発の責任者とされる金英哲を前面に出したのは韓国人の感情を最大限刺激するという心理戦次元の手段とみられる。

休戦協定を無力化しようとする北朝鮮の試みは歴史が長い。すでに1991年から小さな口実でもあればちょっかいを出してきた。「休戦協定のすべての条項の拘束から抜け断固とした措置を取るだろう」と威嚇したのも2003年からだ。これとともに北朝鮮は機会があるたびに米国に平和協定を締結しなければなければならないと促した。今回北朝鮮が緊張を高めさせているのも同様の意図とみられる。

北朝鮮が米国と平和協定を締結しようと主張する背景は色々と分析される。在韓米軍の撤収、核保有国の地位認定などを北朝鮮が狙っているものと専門家らはみている。可能性のない空しい夢にすぎない。

さらに北朝鮮の意思表明方法はとても間違っている。度重なる挑発と威嚇で緊張を高めながら協定さえ締結すれば平和が作られるという奇怪な論理に陥っていることだ。自分たちの威嚇に韓米が屈服しろとの誇大妄想に違いない。3度目の核実験で核攻撃をする能力があることを見せたのでもう避ける穴がないのではないかという形だ。到底望めないことだ。

それよりは北朝鮮が韓米と平和協定を締結できる容易な方法がある。核兵器を放棄することだ。すでに2005年の6カ国協議で採択した9・19共同声明で北朝鮮も合意した内容だ。北朝鮮の核放棄進展とともに韓半島の恒久的な平和体制を議論するというまさにその内容だ。1日も早く決断を下すことを促す。

北朝鮮の威嚇水準が非常に高くなっただけに挑発の可能性も大きくなったとみなければならない。軍当局は北朝鮮の挑発を抑制するのに十分な対応措置をもう一度点検しなければならない時だ。



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