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【コラム】日本の原作と比較した韓国ドラマ『その冬、風が吹く』

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ドラマ『その冬、風が吹く』(写真提供=SBS)

つまらないことではあると思いながら、つい原作と比較してしまう。最近話題になっているSBS(ソウル放送)のドラマ『その冬、風が吹く』(以下、『その冬』)のことだ。原作は2002年に日本のTBSで放映されたドラマ『愛なんかいらねえよ、夏』。

ホストとして生きていた1人の男が、金目当てに視覚障がい者の資産家の娘の兄になりすますし、そうこうしているうちにその女性と恋に落ちるという物語だ。特有の寂しげな雰囲気や俳優らの熱演で、日本ドラマファンの間で伝説のように語り継がれている作品だ。

第6話までの『その冬』を見て、罪囚服を着せても刑務所をランウエーに変えてしまうほどの俳優チョ・インソンが出演しているのに、どうして韓国版に心が動かないのか頭をひねった。見つけ出した答えは「熱すぎるから」だ。原作で忘れられないのは、妹と祭りに行って意図的に妹を窮地に追い込む偽りの兄が吐き出すセリフだ。


「楽しかったあとの悲しみは悲しみの連続より悲しいんだよ。楽しいことを知ってるってのはさ、実はすごいつらいことなわけよ」--心が傷だらけの男の氷のような冷笑だった。

一方、『その冬』の登場人物は一貫して“熱い”。各自、自分の心の傷を取り出しながら泣き叫ぶ。表情はこれ以上なく真剣で、目からはレーザービームが放出されているかのような勢いだ。このような過剰な感情が逆にドラマへの感情移入を邪魔する。血が噴出すような熱い感情の表出は韓国ドラマの、もしかしたら韓国人の強みでもある。

何年前、日本で韓国ドラマの人気が最高潮に達した時、日本の週刊誌「AERA」がこんな評価をした。「韓国ドラマの熱くて激しい世界は日本人の心に欠けている何かを満たしてくれるようだ」と。そのためか、韓国でリメークされた日本作品は本来の無情な雰囲気を失って、いきおい“真摯な一本勝負”に変貌する。

日本作家の奥田英朗の小説を映画化した『サウスバウンド』もこれと似たような感じだった。小説は小学校6年生の男の子が元過激派活動家の父親を肯定していく過程を軽快に優しく描いている。一方、韓国で映画化された作品は、ユーモアを活かそうと努力しているものの、後半になるにつれてメッセージが強調されてどんどん重たくなる感じだった。

リメーク作に期待することは人によって違う。個人的にはあらすじや人物は変わっても、原作特有の雰囲気や情調は守ってほしいと願う。そういった意味で、間もなくリメークされるという日本ドラマ『女王の教室』や『ハケンの品格』も心配ばかりが先に立つ。社会問題をファンタジー風に描いたこれらの作品が“韓国的情緒”をまとって真剣なだけの告発性ドラマに生まれ変わらないか心配だ。



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