ジョージ・ソロスなどグローバルヘッジファンドが円安にベッティングし多額の金を稼いでいる。フィナンシャルタイムズなどは最近“グローバルマクロ”ヘッジファンドが安倍内閣発足後の日本の証券市場の好調と円安にベッティングするいわゆる「安倍トレード」に積極的に乗り出していると報道した。グローバルマクロヘッジファンドはマクロ経済変動にともなう為替相場、債券、派生商品取り引きの流れを予測して投資するヘッジファンドだ。

フィナンシャルタイムズとウォールストリートジャーナルなどによれば「ソロスファンド」は円安に賭ける投資で昨年１１月以後に約１０億ドルの収益を上げている。ソロスは１９９０年代に英ポンドを攻撃し大きな収益を上げている。また、ゴールドマンサックス出身のアンドリュー・ローのカクストン・アソシエイツがこの３カ月間に１０％の収益を上げ、ポール・チューダー・ジョーンズのチューダー・インベストメント、ルイス・ベーコンのムーア・インベストメントなどのヘッジファンドも同じ期間に９％の収益を記録した。これはヘッジファンドリサーチが集計した世界のマクロヘッジファンドの３年平均収益率３．５％を大きく上回る結果だ。

問題はヘッジファンドが長期的観点から投資しないという事実だ。一瞬で利益を実現しようとするならば円安の流れに急ブレーキがかかりかねないという話だ。専門家らは１ドル＝９５円を超え１００円に向かえば売りが増えるとみている。オルタナティブ・インベストメント・グループのクリス・エートン氏は「いくつかのヘッジファンドがすでに円安ポジションを減らし始めた」と伝えた。