済州（チェジュ）発展研究院のシン・ドンイル研究委員は、副作用があっても中国人観光客を積極的に誘致するべきだと主張する。シン氏は「一部の中国人観光客の行動のために中国人の旅行客を避ければ、済州道はどうやって生きていくのか」と話す。

また、済州道が中国人観光客をより多く受け入れるためにショッピングインフラの構築、大規模現地旅行会社の育成などが必要だと提示した。

－－団体観光中心に行われる点が、騒がしさを招く面があるというが。


「韓国人もかつて済州道に来るときは団体観光が多かった。今は８３％が個別の観光を楽しんでいる。個別観光が中心になってこそお金になる。中国ではまだ済州道が知られて間もない。ある程度までは騒がしくなる団体観光が避けられないだろう。中国人観光客が最も多く訪れるソウルもまだ団体観光が中心だ。私たちもかつて海外旅行で醜態を見せ、“アグリーコリアン（ｕｇｌｙ　Ｋｏｒｅａｎ）”という声も聞いた。中国が急速な経済成長で成金が多いのは事実だ。しかしこれは一部の問題であり、一つの過程だと考える。個別観光が増え、観光マナーに対する中国人の認識が改善されれば、次第に良くなるとみている」

－－損をしながら中国人観光客を受け入れる“マイナス観光”もあると聞いた。

「中国現地の旅行会社が中国人観光客を募集した後、済州道に送るケースだ。インバウンド専門ランド（済州現地旅行会社）がその中国人観光客を引き受けて案内する。ところが済州道を訪れる中国人観光客１万人当たり１つの割合でランドがある。登録されていないランドまで合わせると、その数は３００以上になるという。当然、競争が激しくなる。小規模ランドをまとめて大きな旅行会社にして、直接、中国人観光客を誘致しなければならない」　

－－中国人観光客を効率的に誘致する方法は。

「済州道にはデパートがない。大型マートが済州道で最も大きなショッピングセンターだ。００年代初め、済州道にプレミアムアウトレットができる計画があったが実現しなかった。中国人観光客は日本人観光客に比べてお金をよくつかう。国連観光機構（ＷＴＯ）によると、中国人は米国人よりお金をよくつかう観光客だ。中国人観光客１人が平均的に海外旅行中２６００ドルを使うという。中国人がショッピングを楽しめるショッピングインフラ構築が急がれる」　（中央ＳＵＮＤＡＹ第３０９号）