北朝鮮の３度目の核実験が迫った中、韓国と米国が北朝鮮に対する制裁の強度を高め、核使用の動きが確認される場合、核施設先制打撃を含む軍事的対策を用意する方針だと、韓国政府当局者が４日明らかにした。

政府当局者は「北朝鮮が核実験をする場合、韓米拡張抑制委員会（ＥＤＰＣ）で、軍事行動を含め、北朝鮮に打撃を与えられる、より強い実質的な戦略を立てる必要がある」とし「今月中に米国との実務級接触で議論した後、上半期中に次官補級接触を行う予定」と述べた。ＥＤＰＣとは、韓米国防長官が北朝鮮の核拡散を防ぐため、外交的な制裁と軍事的な対応態勢を議論する協議体をいう。

０９年３月に金泰栄（キム・テヨン）合同参謀本部議長候補者が国会聴聞会で、北朝鮮の核施設に対する先制打撃の考えを表したが、この問題を韓米間で公式議論すると明らかにしたのは今回が初めてだ。


周辺国の懸念にもかかわらず北朝鮮が核実験強行の動きを見せると、韓米両国は東海（トンヘ、日本名・日本海）上で原子力潜水艦を動員した対潜水訓練（４－６日）を実施し、軍事的な動きを議論しながら対抗している局面だ。

こうした中、北朝鮮は雪が降る氷点下１０度以下の天気にもかかわらず、この日、咸鏡北道吉州郡豊渓里の核実験場一帯で核実験の準備を続けていることが確認された。韓国軍の関係者は「人工衛星など対北朝鮮監視資産を総動員しながら、核実験場付近を２４時間密着監視中」とし「最近、北朝鮮軍幹部が乗っていると推定される高級ＳＵＶ（スポーツ用多目的車（ＳＵＶ）が出入りし、坑道の入り口を覆った幕を撤去するなど、緊迫した動きが観測された」と伝えた。また核実験場一帯では、北朝鮮軍が軍事訓練を行っていて、韓米軍の攻撃に備えるものと把握されている。

外交安保長官は「北朝鮮がプルトニウムを利用した１回目、２回目とは違い、高濃縮ウラン（ＨＥＵ）核実験になるとみられる」とし「核保有国の地位を国際的に公認されるために核挑発を強行しようとする北朝鮮に対抗し、政府は米国・中国との協調体制を稼働している」と述べた。

金星煥（キム・ソンファン）外交通商部長官はこの日、国会外交通商統一委に出席し、「（北朝鮮が核実験を行う際）高濃縮ウランを使う可能性があると推測できる」とし「北朝鮮が２０１０年に公開した濃縮施設から推算すると、ある程度（濃縮ウランを）抽出したとみられる」と述べた。

しかし「北朝鮮が（核融合技術を利用した）水素爆弾を製造した可能性はあるか」という元裕哲（ウォン・ユチョル）議員（セヌリ党）の質問に対しては、可能性がないという趣旨の答弁をした。



韓米が「北核施設先制打撃」議論へ…今月中に実務接触（２）