大統領直属の原子力安全委員会を、新設される未来創造科学部に編入しようという大統領職引き継ぎ委員会の方針に心配が先に出る。2011年3月の福島原発事故は稼動原発が20基を超える韓国に外圧を受けず原子力安全に専念できる規制機関が必要だというコンセンサスを作り出した。国会が率先して議員立法手続きにより原子力安全委員会設置法を制定し、これに伴い発足した大統領直属原子力安全委員会がいまようやく1歳の誕生日を過ぎた。ところが福島事故以前の水準に戻すというから政策企画者の度胸には驚かされる。
原発運営には危険が伴う。やや誇張されてはいるが韓国の原発で重大事故が発生すれば人命被害は50万人を超える可能性もあるという環境団体の警告があった。人命被害がそれほど大きくなくてもパニックや食糧需給混乱、輸出まひ、外国資本の引き上げなどで国は危機を迎えるだろう。福島事故後長らく韓国で日本産食品はもちろんおむつまで売れなかった。やむをえず原子力を選択したとすれば安全管理に渾身の誠意を尽くさなければならない。
いま韓国の原発政策は俎上に上がっている。発電所の電源喪失事故の隠蔽、機資材購入と関連した不正、品質保証体系の弱点などで原発運営に対する国民の信頼は最低水準だ。原発運営者の努力だけでは信頼が回復できない状態だ。頼れるのは確固とした安全規制機関だ。規制機関まで不信にあうならば原発運営はあきらめなければならない。
どの官庁が担当しようと安全規制の姿勢さえ確実ならば良いというのが引き継ぎ委員会の判断かもしれないが、これには同意し難い。原子力安全規制を教育科学技術部が担当していた時代を振り返ってみると、規制機関のトップである長官は大型の教育懸案と取り組むことにも忙しかった。新設される未来創造科学部長官も国の未来設計と実現という重大な荷物が手にあまり原子力安全規制機関長の職務に忠実になれないのは明らかだ。外郭機関に置くことはできるが、そうすると原子力規制機関に見合った権威が付与されない。組織は小さいが任務が重要なため米国、フランス、カナダなど外国でも原子力規制機関は政府首脳の直属に置く。原発事業が準国営である韓国で一層そうすべきだ。
これまで原子力安全委員会の運営から所属を変えなければならないほど深刻な問題点があるという声は聞いたことがない。したがって引き継ぎ委員会の計画案は原発の危険を軽視したり誤った情報が入力されたのにともなう誤判の結果とみる。原子力安全に関与してきた専門家として現行の原子力安全委員会の存続を強力に促す。
李在己(イ・ジェギ)漢陽大学原子力工学科教授
原発運営には危険が伴う。やや誇張されてはいるが韓国の原発で重大事故が発生すれば人命被害は50万人を超える可能性もあるという環境団体の警告があった。人命被害がそれほど大きくなくてもパニックや食糧需給混乱、輸出まひ、外国資本の引き上げなどで国は危機を迎えるだろう。福島事故後長らく韓国で日本産食品はもちろんおむつまで売れなかった。やむをえず原子力を選択したとすれば安全管理に渾身の誠意を尽くさなければならない。
いま韓国の原発政策は俎上に上がっている。発電所の電源喪失事故の隠蔽、機資材購入と関連した不正、品質保証体系の弱点などで原発運営に対する国民の信頼は最低水準だ。原発運営者の努力だけでは信頼が回復できない状態だ。頼れるのは確固とした安全規制機関だ。規制機関まで不信にあうならば原発運営はあきらめなければならない。
どの官庁が担当しようと安全規制の姿勢さえ確実ならば良いというのが引き継ぎ委員会の判断かもしれないが、これには同意し難い。原子力安全規制を教育科学技術部が担当していた時代を振り返ってみると、規制機関のトップである長官は大型の教育懸案と取り組むことにも忙しかった。新設される未来創造科学部長官も国の未来設計と実現という重大な荷物が手にあまり原子力安全規制機関長の職務に忠実になれないのは明らかだ。外郭機関に置くことはできるが、そうすると原子力規制機関に見合った権威が付与されない。組織は小さいが任務が重要なため米国、フランス、カナダなど外国でも原子力規制機関は政府首脳の直属に置く。原発事業が準国営である韓国で一層そうすべきだ。
これまで原子力安全委員会の運営から所属を変えなければならないほど深刻な問題点があるという声は聞いたことがない。したがって引き継ぎ委員会の計画案は原発の危険を軽視したり誤った情報が入力されたのにともなう誤判の結果とみる。原子力安全に関与してきた専門家として現行の原子力安全委員会の存続を強力に促す。
李在己(イ・ジェギ)漢陽大学原子力工学科教授
この記事を読んで…