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【社説】スパイに脱北者支援業務を任せるとは=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ソウル市に住む脱北者の支援業務を担当していた担当者がスパイ容疑で逮捕され衝撃を与えている。韓国に居住する脱北者の42%に達する1万人余りの脱北者の身辺情報が北朝鮮に渡されたという。特にこのようなスパイ行為が脱北者出身のソウル市の公務員によって行われたという点で脱北者支援業務体系に大きな穴が開いていることが確認された。また、スパイ行為をした当事者を事前に除去できなかった韓国の情報当局の能力にも問題が多いことを示唆する。

最近脱北者が北朝鮮に再入国して記者会見をした事例が何度かあった。一部は北朝鮮にいる家族の処遇に対する脅しを受けやむを得ず戻るほかなかったものと推定されている。韓国に居住する脱北者の身辺情報は北朝鮮によりこのような形で悪用される危険性が大きい重要保安事項だ。このような情報が大量に北朝鮮に渡されるまで放置されたことで今後も類似の事例が発生する可能性が大きくなった。

韓国に居住する脱北者は北朝鮮に家族が残っている場合が大部分だ。今回のことで彼らが不安に震えることになった。また、脱北者のうち北朝鮮を積極的に非難してきた人々を対象にしたテロの動きも何回も摘発されたことがある。今回の事件を契機に実際にテロ行為が発生する危険性も大きくなった。


情報当局は脱北者が入国すると合同尋問などの手続きを通じ偽装脱北かどうかを選別する作業をする。今回逮捕された脱北者が偽装脱北者なのかどうかはまだ確認中という。しかし状況からみて偽装脱北の可能性が非常に大きいものと把握される。この点が事実と確認されるならば、これを選別する情報当局の能力に穴が開いていることを立証するものだ。

最近ではやや伸び悩んでいるが2000年代に入り韓国に入国する脱北者の数が大きく膨らんだ。彼らのうちスパイ活動容疑者を残らず選別するのは容易ではないだろう。ややもすれば人権侵害の可能性まであるためだ。だとしても今回のように大規模に脱北者関連情報が北朝鮮に流出するまで放置されたのは大きな問題だ。情報当局は今回の事件を契機に明らかになった脱北者支援体系の問題点を至急に補完しなければならない。





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