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「現実主義者の安倍首相、当分は“低空飛行”」(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
「ワシントンが安堵する声がアジアまで聞こえてくるようだ」。ニューヨークタイムズ(NYタイムズ)は、16日の日本総選挙と19日の韓国大統領選挙の結果を伝え、このように表現した。朴槿恵(パク・クネ)次期大統領と安倍晋三首相ともに保守色を帯び、米国との関係を重視するという共通点を取り上げながらだ。

しかし安堵できる部分はそこまでだ。過去の歴史・領土問題をめぐる韓日関係の複雑な方程式のためだ。同紙も「今後、北東アジア情勢は米国政府が考える以上に複雑に動くだろう」と指摘した。

問題を複雑にする核心は、韓日関係の雷管である過去の歴史・領土紛争に対する安倍政権の極右性向だ。「日本を取り戻そう」というスローガンを掲げた安倍内閣と自民党は▽慰安婦動員の強制性を認めて謝罪した「河野談話」の修正▽植民地支配と侵略の歴史を謝罪した「村山談話」の修正▽島根県の地域行事「竹島の日」(2月22日)の国家行事格上げ▽尖閣諸島(中国名・釣魚島)の実効支配強化のための公務員常駐推進--など極右性向の公約を出した。


しかし実際に政権交代した後、極右公約を覆しながら調整に入っている。戦術的な修正戦略を駆使しているのだ。安倍首相は「竹島の日」行事を中央政府が開催する案に関し、「総合的な外交状況を考慮して考える」と保留する可能性を示唆した。続いて自民党の第2人者である石破茂幹事長も保留の立場を確認した。「日韓関係が悪化する場合、どこが喜ぶかを考える必要がある」と述べながらだ。

続いて27日には菅義偉官房長官が記者会見で「村山談話を継承する」と公約を覆した。安倍首相の念願だった河野談話の修正に対しても「この問題を政治・外交問題としてはいけない。外部の観点、すなわち専門家の検討が望ましい」とのみ明らかにした。

こういう流れをどう見るべきか、国内外の専門家に尋ねた。

▽尹徳敏(ユン・ドクミン)国立外交院教授=「安倍首相は現実主義者的なところがある。日中関係が良くない状況で、韓国まで敵に回す愚を犯すことはないと考える。特使を急いで送った点からも、韓国との接点を探そうとうい意志が見え、この点を韓国の次期政権がうまく管理する必要がある」。

▽国民大の李元徳(イ・ウォンドク)国際学部教授(日本学)=「安倍政権に対し、日本国内では“安全運行内閣”という評価が出ている。当分は低空飛行をする姿を見せるだろう」。

安倍首相と自民党が圧勝したのは右傾化公約のためではなく、有権者が民主党政権の失政に背を向けたためという指摘も出ている。マーティン・ファクラーNYタイムズ東京支局長は「安倍政権が右翼性向であるのは間違いないが、日本国民全体が右傾化していると考えるのは無理がある」と述べた。

日本を20年以上も取材してきたスティーブン・ハーマンBOA(ボイス・オブ・アメリカ)北東アジア支局長の意見も似ている。「安倍首相は自民党がうまくやって選挙に勝ったのではないことをよく知っている。当分は右翼性向公約を積極的に進めないとみている」。

2人の意見をまとめると、少なくとも来年7月の参院選までは安倍内閣が低姿勢を維持するという見方が優勢だ。まず景気浮揚に積極的に取り組んで民心をつかみ、参院選で勝利した後、右翼性向公約を実行するという計算があるということだ。(中央SUNDAY第303号)



「現実主義者の安倍首相、当分は“低空飛行”」(2)

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