昨日、ソウル中心部に大韓民国歴史博物館が開館した。 歴代の記念館は独立記念館、戦争記念館、５・１８光州民主化運動記念館のように断片的なもの、または朴正煕（パク・ジョンヒ）・金泳三（キム・ヨンサム）・金大中（キム・デジュン）記念館のような特定大統領を称えるものだった。 大韓民国歴史博物館は独立運動からの韓国の現代史を集約した“長編”というところに意味がある。 特に、建国と護国、そして産業化と民主化を包括し、総合的かつバランスのとれた眺望を提供している。

展示物には安重根（アン・ジュングン）義士の親筆遺墨、３・１独立宣言書、制憲国会の憲法案、４・１９日記、朴正煕政権経済開発５カ年計画主要文書、１９６０年代の派独鉱夫の日記と旅券、大韓民国自動車輸出１号「ポニー」（Ｐｏｎｙ）などがある。 全泰壱（チョン・テイル）烈士展示館や民主化運動コーナーでは、激動の歴史を体験できる各種展示物が目に入る。 この博物館の別名は「血と汗と涙の展示館」だ。

今回の大統領選挙では類例のない歴史論争があった。 進歩・左派は朴正煕開発独裁を辛らつに批判した。 保守・右派は朴正煕経済開発を擁護し、金大中・盧武鉉（ノ・ムヒョン）政権の混乱を攻撃した。 朴槿恵（パク・クネ）グループの勝利に終わったとはいえ、一方的な優勢ではない。 ５１．６対４８という数字が表しているように、歴史観をめぐる緊張は依然として残っている。


しかし結果に関係なく今回の大統領選挙は教訓を残した。 それは歴史とは滔々と流れる継承という点だ。 朴槿恵は金大中・盧武鉉の墓まで参拝した。 しかし文在寅（ムン・ジェイン）は李承晩（イ・スンマン）と朴正煕の墓を除いた。 歴史継承と国民統合という観点で、大統領選挙期間中は終始、文在寅は守勢になるしかなかった。 それだけ歴史に対する韓国人の“心幅”が広まったのだ。

李明博（イ・ミョンバク）大統領は開館式の祝辞で、「法古創新（古いものに法って新しいものを創造）のための議論をしていくべきだ」と強調した。 その通りだ。 韓国の現代史は世界史で類例のない成功の歴史であり、発展の歴史だ。 大統領選挙と歴史博物館の開館を契機に、韓国現代史に対する前向きな認識が増えなければならない。