北朝鮮の長距離ロケット発射を控え、平壌(ピョンヤン)権力核心部の動きに関心が集まっている。 ミサイル発射という強硬カードを取り出した内部事情、これをめぐるパワーエリート間の力比べなどの観点でだ。
北朝鮮は1日、ロケット発射を予告し、「金正日(キム・ジョンイル)の遺言」であることを強調した。 1980年代に金日成(キム・イルソン)主席が「われわれももう人工地球衛星を打ち上げる時期になった」と“教示”した後、金正日総書記のロケット発射成功目標を金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が受け継いでいくという論理だ。
政府当局と北朝鮮専門家は、金正恩のロケット発射決定には、いわゆる“後見3人組”がいるとみている。 叔母の金敬姫(キム・ギョンヒ)労働党秘書とその夫の張成沢(チャン・ソンテク)国防委副委員長、そして崔竜海(チェ・ヨンへ)軍総政治局長だ。
特に金敬姫・張成沢夫婦は金正恩の後見グループのうち親姻戚という強みを持つ。 権力基盤が脆弱でリーダーシップを十分に発揮できない28歳の金正恩が絶対的に頼るしかない存在だ。 ところが金敬姫は最近、病気の治療のためにシンガポールへ行くなど健康に問題がある。 金正恩の最側近補佐役である張成沢の役割に当局が注目する理由だ。
張成沢は金正日の死去後、勢力を伸ばしている。 “万年第2人者”のくびきから脱した姿だ。 金正日の葬儀場に張成沢は大将軍服を着て現れた。 軍部から「なぜあいつが軍服を着てのさばるのか」という声も出たという情報もあった。 しかし張成沢の立場が強まったことを表しているという分析も出た。 張成沢は霊柩車行列で金正恩のすぐ後ろに立ち、後継権力の核心後見勢力であることを誇示した。
◇金敬姫・張成沢・崔竜海の“後見3人組”
変わった位置づけを表す事例もある。 先月19日、金正恩は平壌近郊の第534軍部隊直属の騎馬中隊を訪問した。 訓練場を視察した金正恩は白い斑点が入った灰色の駿馬に乗った。 関係当局の北朝鮮分析官が注目したのは張成沢の姿だった。 張成沢は馬に乗ったまま金正恩とほとんど横に並んでいた。 しかし張成沢の馬の手綱や額の革帯などには他の党・軍幹部には見られない複雑な紋様と装飾が入っていた。 特に馬の額のあたりの装飾の星は、金正恩の馬に元首階級章が付いているのと似ていた。 ある関係者は「張成沢が金氏一族のメンバーであることを確認させる場面」と述べた。
張成沢は先月4日、新設された国家体育指導委員長になった。 金敬姫を除いて労働党秘書全員がメンバーとして構成される組織の首長だ。 国防研究院のベク・スンジュ責任研究委員は「体育指導委を掌握したのは、盧泰愚(ノ・テウ)氏が大統領選挙街道を歩んでいる時、88ソウル五輪組織委員長を務めたことを思い出させる」と述べた。 単純な体育関連組織ではなく、新進パワーエリートを網羅した権力機構の性格が見えるという指摘だ。 体育指導委から張雄(チャン・ウン)国際オリンピック委員会(IOC)委員など多数の体育界関係者の名前が抜けたというのは、こうした分析を後押ししている。
張成沢に会ったことがある政府当局者や北朝鮮専門家は、張成沢は改革・開放性向を持つとみている。 ソ連に留学した経験があり、頻繁な外遊を通して西欧の文物に比較的詳しいからだ。 2002年10月には経済視察団として9日間、韓国の産業施設を見回った。 当時、朴南基(パク・ナムギ)国家計画委員長(デノミ失敗に対する問責で2010年1月に処刑)が団長だったが、中心人物は張成沢だった。 案内をした関係者は「100万ウォン以上のバレンタイン30年物ウイスキーで爆弾酒(カクテル)を作って飲もうと話すなど、自由奔放な性格だった」と語った。 張成沢の暴飲のため翌日の出発日程が遅れても、北側関係者は誰も張成沢を起こそうとしなかったという。 当局者は「張成沢が扉を開くと、70歳代の閣僚級の老幹部が壁にくっついて立って道をつくるほどだった」と話した。 サムスン電子を訪問した際、張成沢がキムチ冷蔵庫に関心を見せたため、韓国政府は板門店を通じて視察団参加者に1台ずつ贈り物をしたという話もある。
ロケット発射に踏み切る北朝鮮の内部事情は…(2)
北朝鮮は1日、ロケット発射を予告し、「金正日(キム・ジョンイル)の遺言」であることを強調した。 1980年代に金日成(キム・イルソン)主席が「われわれももう人工地球衛星を打ち上げる時期になった」と“教示”した後、金正日総書記のロケット発射成功目標を金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が受け継いでいくという論理だ。
政府当局と北朝鮮専門家は、金正恩のロケット発射決定には、いわゆる“後見3人組”がいるとみている。 叔母の金敬姫(キム・ギョンヒ)労働党秘書とその夫の張成沢(チャン・ソンテク)国防委副委員長、そして崔竜海(チェ・ヨンへ)軍総政治局長だ。
特に金敬姫・張成沢夫婦は金正恩の後見グループのうち親姻戚という強みを持つ。 権力基盤が脆弱でリーダーシップを十分に発揮できない28歳の金正恩が絶対的に頼るしかない存在だ。 ところが金敬姫は最近、病気の治療のためにシンガポールへ行くなど健康に問題がある。 金正恩の最側近補佐役である張成沢の役割に当局が注目する理由だ。
張成沢は金正日の死去後、勢力を伸ばしている。 “万年第2人者”のくびきから脱した姿だ。 金正日の葬儀場に張成沢は大将軍服を着て現れた。 軍部から「なぜあいつが軍服を着てのさばるのか」という声も出たという情報もあった。 しかし張成沢の立場が強まったことを表しているという分析も出た。 張成沢は霊柩車行列で金正恩のすぐ後ろに立ち、後継権力の核心後見勢力であることを誇示した。
◇金敬姫・張成沢・崔竜海の“後見3人組”
変わった位置づけを表す事例もある。 先月19日、金正恩は平壌近郊の第534軍部隊直属の騎馬中隊を訪問した。 訓練場を視察した金正恩は白い斑点が入った灰色の駿馬に乗った。 関係当局の北朝鮮分析官が注目したのは張成沢の姿だった。 張成沢は馬に乗ったまま金正恩とほとんど横に並んでいた。 しかし張成沢の馬の手綱や額の革帯などには他の党・軍幹部には見られない複雑な紋様と装飾が入っていた。 特に馬の額のあたりの装飾の星は、金正恩の馬に元首階級章が付いているのと似ていた。 ある関係者は「張成沢が金氏一族のメンバーであることを確認させる場面」と述べた。
張成沢は先月4日、新設された国家体育指導委員長になった。 金敬姫を除いて労働党秘書全員がメンバーとして構成される組織の首長だ。 国防研究院のベク・スンジュ責任研究委員は「体育指導委を掌握したのは、盧泰愚(ノ・テウ)氏が大統領選挙街道を歩んでいる時、88ソウル五輪組織委員長を務めたことを思い出させる」と述べた。 単純な体育関連組織ではなく、新進パワーエリートを網羅した権力機構の性格が見えるという指摘だ。 体育指導委から張雄(チャン・ウン)国際オリンピック委員会(IOC)委員など多数の体育界関係者の名前が抜けたというのは、こうした分析を後押ししている。
張成沢に会ったことがある政府当局者や北朝鮮専門家は、張成沢は改革・開放性向を持つとみている。 ソ連に留学した経験があり、頻繁な外遊を通して西欧の文物に比較的詳しいからだ。 2002年10月には経済視察団として9日間、韓国の産業施設を見回った。 当時、朴南基(パク・ナムギ)国家計画委員長(デノミ失敗に対する問責で2010年1月に処刑)が団長だったが、中心人物は張成沢だった。 案内をした関係者は「100万ウォン以上のバレンタイン30年物ウイスキーで爆弾酒(カクテル)を作って飲もうと話すなど、自由奔放な性格だった」と語った。 張成沢の暴飲のため翌日の出発日程が遅れても、北側関係者は誰も張成沢を起こそうとしなかったという。 当局者は「張成沢が扉を開くと、70歳代の閣僚級の老幹部が壁にくっついて立って道をつくるほどだった」と話した。 サムスン電子を訪問した際、張成沢がキムチ冷蔵庫に関心を見せたため、韓国政府は板門店を通じて視察団参加者に1台ずつ贈り物をしたという話もある。
ロケット発射に踏み切る北朝鮮の内部事情は…(2)
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