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【社説】文在寅と安哲秀、政策はどのように一本化するのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
政治家の言語は意味の明確さを美徳とする。国家指導者として政治家は国民に犠牲を要求することができるためだ。ひとつの口から2つのシグナルが出てくるあいまいな言語は国家を混乱に陥れ国民に致命傷を加えかねない。

一昨日文在寅(ムン・ジェイン)民主党大統領候補と安哲秀(アン・チョルス)元候補は、「政権交替と大統領選挙勝利にむけさらに力を合わせることにした。大統領選挙後も緊密に協議することにした」と合意し、昨日は釜山(プサン)で一緒に遊説を行った。

文候補の哀切な要請をもの乞い政治、安哲秀氏の電撃的行動を積善政治だとさげすむ人々もいるが、選挙はどうせゲームであり、ゲームの勝利のために候補が戦略的選択をすることに言いがかりを付けるつもりはない。


問題は別のところにある。文在寅・安哲秀の2人の政治家が執権する場合にどのような政策で国を導いていくのかに対する合意が全くないまま有権者に票を求め訴えている点だ。2人はせいぜい国会議員定数を縮小するという政治的合意ひとつで何か大きなことでもしたかのように互いの肩をたたいている。

西海(ソヘ)北方限界線(NLL)に関する領土観、金剛山(クムガンサン)観光と南北首脳会談をめぐる対北朝鮮観、済州(チェジュ)海軍基地建設に対する安保思想、韓米自由貿易協定(FTA)再協議を見る外交観。この4つの問題に対し2人は異なる見解を持っている。大統領の領土観・対北朝鮮観・安保思想・外交観は、憲法が大統領に最も重要な責務として付与している国家の永続性、国民の生命保護と直結した問題だ。この分野で大統領の言語が二重的であいまいならば、軍人と民間人に大規模な犠牲が出る事態が起きかねない。

文候補は11月21日に安哲秀氏とのテレビ討論で、「(安候補は)金剛山再開も北側の(謝罪の)約束がなければならず、南北共同漁労区域もNLL認定が先行しなければならないと先行条件を提示しているが…このような前提措置をすべて解除して北と対話しなければならない」と主張した。安氏は、「金剛山観光の場合、再発防止対策がなければならない。これがないで再開するならば韓国の国民は不安で行きにくい」と述べた。結局文候補は北側の謝罪がなくとも金剛山観光を再開するということで、安哲秀氏は再発防止対策が前提にならなければならないという立場だ。

また、文候補は北側に「NLLを認めよ」という前提を要求しないという話で、安氏は別の場所で「NLLを死守する」と発言しており、両者の立場の違いは大きい。

済州海軍基地建設で文候補が「全面中断、再検討」であるのに対し、安氏は「建設継続」という立場だ。現在大きな問題なく発効している韓米FTAに対して文候補は「再交渉する」と話し、安氏は「問題が発生した場合に再交渉する」と条件をつけた。

このように事案ごとに微妙または大きな差が出る外交安保問題で文在寅候補は安哲秀氏の立場を受け入れるのか、受け入れないのか。そうでなければ折衝するだろうか。この質問に対し文在寅候補と安哲秀氏は共同の返事を出さなければならないだろう。特に文候補は大統領になる可能性がある有力候補であるだけにもたもたせずにはっきりとした言語で最も速い時期に国民全体を相手に答を出さなければならない。



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