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【時視各角】「ミアリテキサス」の裏で…規制しても増える韓国の性売買(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

性売買をあっせんする広告のチラシ。

紅灯の光に反射した灰色の建物の塊は島のように見えた。真冬の夜中。黎明前の暗闇の中には、違和感を感じさせるその紅灯の島だけが浮いていた。鍾岩(チョンアム)警察署出入記者として初めての出勤した新米の警察記者に、この島は強い印象と疑問を投げかけた。ここは「ミアリテキサス」と呼ばれた。20年以上も前の話だ。

その町には大きな大衆浴湯があった。早朝に眠い目をこすりながら出勤し、原稿を仕上げると、その浴場に行くことがあった。その時間には、明らかにその島から来たと見られる女性たちが三三五五集まった。彼女たちはどの豚足店がおいしいか、どんな化粧品がよいかなどを話していた。化粧の濃い外貌は馴染まなかったが、彼女たちの関心事は日常的だった。このためすぐに彼女たちにも慣れた。

ある日、隣でくしを洗っている手が見えた。仕事のために頭の中が疲れていた。それを見ながら、自分の汚いくしを思い出した。「私のくしも洗わなければ…」。睡眠不足であるうえ、種々な考えが頭の中に広がり、うっとうしい気分だった。一人でいろいろと考えながら苦しんでいるところ、ふと彼女の目が見えた。決して消えないようだった濃厚なマスカラの裏の聡さのない瞳には「無念無想」という言葉でしか説明できないものがあった。瞬間、妙な衝撃が走り、なぜか心が落ち着いた。


刑事がミアリテキサスの取り締まりをするというので随行した。空っぽの遊郭。鏡になった壁。紅灯しかない寂しい部屋。安物の化学繊維で作ったドレス。あの時の“瞳”が突然頭をよぎった。戻ってくる車の中で力なく不満を言った。「取り締まりよりもあの汚い環境から改善しなければいけないのでは?」

“意識ある女性”なら、この場面で売春を根絶し、彼女だちを助けるべきだと話しているはずだ。なのに環境改善を云々するとは、非難を浴びるかもしれない。しかしその時に悟ったことがあった。娼も一部の女性にとって生計の手段だということを。警察が摘発して送り帰した未成年売春女性がまた戻ってきたと言って彼女を警察署に連れてきた店主、性病にかかっても健康ではなく営業できないことを心配する女性を見ながら分かったのだ。食べていくというのはそれほど厳しく現実的なものだった。国は彼女たちの生計の責任を負うことができなかった。



【時視各角】「ミアリテキサス」の裏で…規制しても増える韓国の性売買

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