中国から歴代最大規模（２３キログラム）の麻薬を日本に密輸しようとしていた韓国人船員２人が最近、中国公安に逮捕されたことが確認された。 外交通商部当局者は６日、「今年１０月３１日、中国、上海近隣の江蘇省南通港で韓国船舶会社ハナマリンの「ハナセブン号」船員２人が麻薬を密輸しようとしたが、中国公安に摘発され現場で逮捕された」と明らかにした。

２人が所持していた麻薬（ヒロポン）２３キログラムは中国深圳（シンセン）で製造されたもので、日本の暴力団組織に密輸する過程で摘発されたと政府は推定している。

政府は今回摘発された麻薬の材料調達過程などに北朝鮮当局の外貨稼ぎ事業が関わっている可能性があると見て、中国公安当局と捜査協力する案を検討中だ。


外交部当局者は「２３キログラムは中国で韓国人が関係した麻薬密輸犯罪の中で最大規模」として「７７万人が同時に投薬できる物量であり、金額では７７０億ウォンに達する」と話した。また「逮捕者の年齢が高い（７０才、６４才）である点からみてもベテラン級であると推測される」と付け加えた。ヒロポン１回の使用量は３０ミリグラム、１０万ウォン程度で取り引きされるという。

中国政府は１キログラム以上のヒロポンを密輸・販売すれば国籍に関係なく死刑を宣告してきた。

特に中国で生産されたヒロポンが韓国を経て日本に輸出されて消費されるいわゆる「ホワイトトライアングル」が最近形成されながら法執行がより一層厳しくなった。

今まで中国で、麻薬犯罪として１審で死刑宣告を受けた韓国人は３人だ。２００９年７月、ヒロポン１０．３キログラムを所持して吉林省長春から遼寧省瀋陽に移動している途中、公安に捕まったシン容疑者（５１才）に延辺州裁判所が先月８日、１審で死刑を宣告した。

また２０１０年北京で逮捕された在日同胞キム容疑者は４月、２００９年６月に山東省青島で逮捕されたチャン容疑者（５３才）は５月、それぞれ死刑判決を受けて２審判決を待っている。

中国で死刑が確定すれば約１年後に執行される。 だが実際、死刑が執行された韓国人麻薬犯は２００１年のシン容疑者だけだ。中国に収監中である韓国人３４６人のうち９５人（２７．４％）が麻薬関連犯だ。

◆ホワイトトライアングル（ｗｈｉｔｅ　ｔｒｉａｎｇｌｅ）＝全世界ヒロポンの８０％を生産するタイ・ラオス・ミャンマー３国の「ゴールデン・トライアングル」を遠回しに韓・中・日が関連した新興麻薬取り引きシステムを指す。１９９５年ソウル地検強力部が関税庁の協力を受けて中国拠点のヒロポン密輸組織ソンヤン派・チャンチュン派・ウェイハイ派など３５人を検挙・拘束して使った言葉だ。