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【取材日記】原発の安全と費用の間、妥協点を見いだすべき=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
電気は血液のような存在だ。不足すれば冷暖房はもちろん、金融・コンピューター・交通網など社会の基盤が一瞬のうちにまひする。その電気を最も安く供給する方法が「原子力発電」だ。1時間当たり1キロワットの電力を生産するのにかかる費用が昨年末基準で原発は39ウォン(約3円)。石炭火力(67ウォン)や液化天然ガス(LNG・187ウォン)とは比較にならない。

資源が不足する韓国は選択の余地がない。急増する電気消費を“安く”解決する方法は、現在のところ原発だけだ。政府も現在30%水準の原発の比率を2030年に58%に拡大しようとしている。

問題は「安全費用」だ。この1週間に原発3基が相次いでストップした。全羅南道霊光(ヨングァン)5・6号機は「偽造部品検証書」波紋で、霊光3号機は「制御棒案内管」の亀裂で稼働を停止した。韓国水力原子力は「放射能流出など深刻な安全問題はない」と話している。


「安全費用」は原発費用の計算法を変える。より多くの整備、修理費はもちろん、心配・不安まで含む社会的費用まで上積みされるからだ。霊光5・6号機の部品交換が年末まで続けば、約1100億ウォン分の電力生産ができず、社会的損失が増える。停止した原発3基の補修と再稼働が来年1月に入り込めば、「停電事態」に続き、11兆ウォン以上の被害が生じるおそれがある。最近は、原発23基の解体に必要な資金が23兆ウォンにのぼるという民間経済研究所の報告書も出ている。社会的不安解消費用まで加えれば、原発は“安くて安全な”エネルギーではないということだ。

しかしこれは停電事態や再稼働遅延などの最悪を“仮定”したものだ。火力・潮力発電も最悪を仮定すれば費用は雪だるま式に増える。もちろん原発の安全性はいくら強調してもしすぎることはない。それでも安全だけの理由で生活必需品である安い電気をあきらめることはできない。安全と費用の間、社会的妥協点を見いださなければならない時期だ。

キム・ジュンスル経済部門記者



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