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金正男亡命説の質問に返答しない国家情報院長

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

元世勲(ウォン・セフン)国家情報院長。

元世勲(ウォン・セフン)国家情報院長が12日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記(昨年12月死去)の長男・金正男(キム・ジョンナム、41)の亡命の可能性を尋ねる国会情報委員の質問に対し、肯定も否定もせず妙な余韻を残した。

民主統合党の鄭清来(チョン・チョンレ)議員はこの日、情報委の直後の記者会見で、「身辺の脅威を感じる状況で金正男が亡命する可能性はないのかと尋ねると、(元院長は)返答せず瞬きを繰り返した」と述べた。情報当局は先月31日、金正男が韓国政府に亡命を要請したという説が提起されたことを受け、経緯の把握に入った。

鄭議員によると、この日の情報委で元院長は、金正男の所在を尋ねる質問に対し、「確認することはできない。ただ、現在、金正男がマカオにいないということは確認した」と答えた。対北朝鮮情報機関の首長が金正日一家の行方について、特定地域にいるかどうかを断定的に述べるのは異例だ。金正男が一時ソウル入りしたという推測については「ソウルにいない。事実でない」とはっきりと答えた。


北朝鮮国家保衛部が平壌(ピョンヤン)にある金正男の拠点を襲撃したという説については、「肯定も否定もしない」と述べた。襲撃説とは、北朝鮮最高指導者の金正恩(キム・ジョンウン、28)が09年、異母兄の金正男がいた別荘「ウアム閣」に乗り込んで捜索し、関係者を連行したという事件をいう。

07年南北首脳会談当時の北方限界線(NLL)に関する対話録と金正男亡命説が12月の大統領選挙に影響を与える可能性については、「そういうことはない」と一蹴した。元院長は、「金正男をソウルに亡命させ、大統領選挙局面を揺さぶるという説がある」という一部の野党委員の質問にこのように答え、「国家情報院がその部分に関与したり工作したりして、12月の大統領選挙に介入することは絶対にない」と述べた。

また、「大統領選挙が迫った時期に国家情報院が(首脳会談)対話録を操作して公開するという説がある」という委員の質問には、「そういうことはないと考える」と答えた。07年の南北首脳会談当時の対話録に関し、「北側から受けた録音収録はあるか」という質問には、「国家情報院にないと理解している」と答えた。これに対しセヌリ党の鄭文憲(チョン・ムンホン)議員は「私が知っている事実なので、対面報告で深く確認して調べ、私に報告してほしいと(元院長に)要請した」と明らかにした。

そのほか、国家情報院に対話録閲覧を要請した徐相箕(ソ・サンギ)情報委員長は「国家情報院側が閲覧は不可能だという公文書を持ってきたが、公文書自体が秘密なので渡せないと話した」とし「公文書を貼付してこそ(国家情報院を資料閲覧権妨害容疑で)告発できるため、いかなる形でも公文書を受けて告発する計画」と明らかにした。

「国会での証言鑑定等に関する法律」によると、正当な理由なく国会の報告または書類提出要求を拒否した場合、3年以下の懲役と1000万ウォン(約75万円)以下の罰金に処することができる。



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