「約２０年後に韓国経済の年平均成長率が米国の成長率には及ばないこともあり得る」。経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）が１１日に出したグローバル経済長期展望報告書の内容だ。

ＯＥＣＤは「２０３０～２０６０年の韓国経済の年平均成長率は１．０％程度」と予測した。分析対象４２カ国のうちルクセンブルクの０．６％に次いで下から２番目だ。韓国の予想成長率は中国やインドなど新興国だけでなく経済が円熟期に入った米国よりも低い。その期間に米国は毎年平均２．０％ずつ成長すると現われた。

比較的高い成長に慣れた韓国としては受け入れにくい見通しといえる。だがＯＥＣＤの予測が特別に悲観的なのではない。２００５年に米投資銀行のゴールドマンサックスが、「韓国の１人当たり国内総生産（ＧＤＰ）が２０２５年には世界３位、２０５０年には世界２位になる可能性がある」と予測した。それとともに「２０２５年以後に韓国の成長率は１％台に落ちる」と見通した。


その根拠はＯＥＣＤやゴールドマンサックスとも同じだった。人口の急速な高齢化だ。ＯＥＣＤとゴールドマンサックスは、「（韓国が現在の傾向で高齢化が進めば）労働市場に流入する新たな働き手が減り成長潜在力が急速に落ちるだろう」とした。

それでも運命は予定されたものではない。ＯＥＣＤは、「構造的改革の有無により未来の成長率は大きく変わる」と明らかにした。新たな労働力が市場にさらに多く、そして自由に進入できるようにする改革をＯＥＣＤは勧めた。

開放的な移民政策や南北の経済統合、女性の経済参加拡大などで労働市場を育てれば状況は変えられるというのが専門家らの診断だ。

ＯＥＣＤは、「個別の国の改革だけでは不足する。各国が力を合わせて財政と労働市場を改革し市場開放などを断行しなければならない」と注文した。その効果はとても大きかった。ＯＥＣＤ加盟国のＧＤＰ合計をこれまでの予想値より１１％程度増やせるという分析だ。

特にＯＥＣＤは、「韓国はグローバル構造改革が産む結実のうち最も大きな部分を取る国になるだろう」と予想した。韓国の次に改革の実をたくさん得る国はイタリア、ベルギー、イスラエル、ポーランドの順だった。

一方、約５０年後も世界経済の不均衡は相変わらずだと予想された。ＯＥＣＤは「国別に１人当たり国民所得の格差は少し減らすことができるが、国同士の経済力の格差は変わらないようだ」と明らかにした。