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【取材日記】麗水万博も切れなかった不正の鎖

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「どうして市庁で3年間も回収された商品券の量と執行金額を照らし合わせずにいられるのか」。

取材過程で会った麗水(ヨス)市民協会のキム・テソン事務局長が声を荒げた。麗水市庁の職員が3年2カ月にわたり麗水市の商品券回収代金28億ウォン余りをはじめ公金76億ウォンを引き出す間、上司や監査を担当した職員は何をしていたのかという指摘だった。彼は「地域経済課で商品券回収代金がしっかりと支給されているかだけ見ても今回の不正は防ぐことができた。30万市民が力を合わせて万博を立派に行った麗水が再び “不正都市”の烙印を押されるようで残念だ」と話した。

キム氏が「再び」という表現を使ったのは、2010年のオ・ヒョンソプ前市長によるわいろ事件のためだ。オ前市長は業者から7億ウォン余りのわいろを受け取り、これを市長選期間中に地方議員にばら撒いた。この事件で市議会議員26人のうち7人が議員職を失い道議会議員も4人が起訴された。このうち市議会議員2人は4月に刑が確定し12月の大統領選挙と同じ日に補欠選挙で後任を選ぶ。「麗水は2年6カ月にわたり補欠選挙中」という愚痴混じりの話が出てくるのもこのためだ。


麗水市はオ前市長の不正事件で落ち着かなかった雰囲気を収拾しグローバルイベントの麗水万博を成功裏に行った。だが、市民と公務員の関心がすべて万博に向けられる間に麗水の位置づけに再び大きな傷を付ける事件が起きたのだ。

逮捕された職員が公金を持ち出す間、監査機関だけでなく麗水市庁の内外で誰も犯行に気付かなかった。上級職員は偽造公文書に押された印鑑すら確認せずに決裁したことが明らかになった。職員の横領犯行は会計を手書きで処理するアナログ式行政と無用の物になった監査機能の合同作品だった。「いくら万博が重要でも自分の倉庫から穀物が漏れているのがわからなかったでは話になるだろうか」という批判に麗水市は弁解できない状況だ。

麗水市は遅まきながら電子地方財政システム導入を骨子とした再発防止策をまとめ事態収拾に出た。しかしこのような対策では衝撃を受けた市民の怒りを静めにくいという声が多い。「遅れたと思った時がいちばん早い時」という言葉がある。麗水市はいまからでも市政運営内外のすべての状況を再点検し強力な不正清算対策を出さなければならない。官民が一致協力して万博を行った麗水市民に「不正都市市民」という汚名を抱かせることはできないためだ。



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