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【社説】最前方・政府庁舎、これほど簡単に入られるとは…=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
大韓民国の安保の現状はどうなっているのか。今はもう「緩んでいる」「ずさんだ」と叱責するより、不安を覚える。鉄条網を越えてきた北朝鮮兵士の“ノック亡命”に驚かされたが、今度はソウル世宗路の政府中央庁舎の中で放火があった。引火物質を所持した60歳代の男が偽物の身分証明書で庁舎の3重のセキュリティーをすべて通過し、教育科学部の事務室に火をつけた後に飛び降り自殺するまで誰も知らなかったという。

この建物は総理室をはじめ、政府の主要部処が集まっている韓国の核心庁舎だ。この建物のセキュリティー意識がこのレベルなら、テロ分子はその気になれば特に準備や計画もなく、いつでも建物に入り込めるだろう。しかもその間、表沙汰になっていない主要機密の流出はなかったのか調査も必要だと思われる。

政府庁舎側は休日勤務の特性上、警備が甘かったことを認めた。国家主要機関が休日に門を開け、基本的な防御機能が崩れていたというのは納得できない。セキュリティー問題が発生した翌日の15日、政府庁舎は出入りシステム管理を強化し、公務員証の着用を義務づけ、入居部処の防護強化の協力要請をするなど、警備強化に着手したと明らかにした。実際、外見上、周辺警備と身元確認手続きが強化されたように見えた。しかし中央日報社会部の記者がこの日、国会・政府果川庁舎・ソウル中央地検・中央地裁・警察庁・韓国銀行・預金保険公社など主要機関に無断進入し、セキュリティー実態を調べた結果、すべての機関に入ることができた。特にこれら機関の機関長室までいかなる制止も受けず接近できた。


政府庁舎の警備が問題になっている中でもこの程度なら、「保安不感症」でなく公職紀綱というものが存在するのか疑うしかない状況だ。不純勢力が韓国の基幹施設を攻撃しても対応できないというのが実情だ。今回の事件を、公職者のセキュリティー意識を高め、公職紀綱を立て直す契機とし、今後、政府の無気力な姿に国民が不安を感じることがなくなることを望む。



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