私が運転免許を取ったのは３０を過ぎてからだった。３度連続で落ちたら１度で合格する人がそんなにうらやましくなかった。三転四起の末にやっと合格した。最近のように道路走行まであったとすればさらに長くかかっただろう。私より一歩遅れて始めた妻は１度で合格した。「やはりＤＮＡのせいではないか？」妻は家の由緒まで持ち出した。

義父は６０をはるかに超えた年齢で運転免許に挑戦した。試験途中に場内の器物を破損して弁償したこともある。お金と汗にまみれた義父の免許取得記は七転八起の末に完成された。遺伝子と運転能力は関係がないという私の反論に、妻は年齢のせいだけだと言い張った。幸い義父は２０年にわたり無事故運転中だ。

忠清南道公州（チュンチョンナムド・コンジュ）に住むパク・ギジュンさん（９８）が韓国の最高齢運転免許取得記録を作ったという。今年７月に学科と技能試験に合格し、勢いに乗って３カ月で道路走行試験まで通過したという。パクさんは足が痛くて苦労している妻（９６）を保健所に直接乗せて行けるようになりうれしいと所感を明らかにした。


運転免許を取る高齢者が増加している。２年前には９６０回の挑戦の末に運転免許取得に成功したチャ・サスンさん（７１）の人間勝利が話題になったりもした。６５歳以上の高齢者のうち運転免許所持者の割合は２０００年に１．６％にすぎなかったが、いまは７％を超える。高齢化時代の自然な現象だ。

米国では運転ができなければ生活が困難だ。倒れそうな高齢者も車を運転して銀行に行きマートに行く。痛ましかったり、危険に見えたりもする。何カ月か前にロサンゼルスでは１０４歳の高齢者が車を運転し子どもを含む１１人をひく大事故を起こした。何年か前には８６歳の高齢者が露天市場の真ん中に突進し１０人が死亡する大型事故が起きたこともあった。

韓国の場合にも高齢運転者の事故が増加している。交通安全公団によると、６５歳以上の運転者が起こした交通事故による死亡者数は昨年が６０５人で、１０年前より３倍ほど増えた。高齢者は視力低下で夜間運転と長距離運転に弱い。身体反応速度も遅い。ブレーキを踏む速度や障害物発見後の瞬間対処能力が落ちるほかない。高齢運転者に対する適性検査を強化し、運転免許の自主的返却を誘導する方策が提示されているが、高齢者差別による違憲議論の素地がある。車がなくても病院に行って買い物をするのに大きな不便を感じないよう特に地方の高齢者に対する社会福祉次元の配慮を強化するしかない。

このところ私はできるだけ運転をしない側だ。最大限公共交通を利用し、時間がもっとかかり少々しんどくても両脚と両腕を利用しようと努力中だ。少し不便でも、ワンテンポだけゆっくり生きることを決意すれば運転を減らすことができないだろうか。