秋には必ず英雄が生まれる。そして英雄は他の誰かの涙をのんで誕生する。２０１２年準プレーオフ、ローテ－斗山の英雄はパク・ジュンソ（３１、ロッテ）だった。一方、ホン・サンサム（２２、斗山）は生涯で最も過酷な季節となった。

ホン・サンサムは１２日、釜山・社稷（サジク）球場で行われた準プレーオフ第４戦、３－３の延長１０回にもマウンドに立った。３－１とリードした８回一死一、二塁で登板し、２四球と犠牲フライで同点を許したホン・サンサムは、９回、１０回も続投した。準プレーオフ第１－４戦すべてに登板したホン・サンサムは９回まで３３球を投げた。

キム・ジンウク斗山監督はホン・サンサムを最も信頼していた。ホン・サンサムが１０回に最初に対戦した打者がパク・ジュンソソだった。第１戦で同点ツーランを浴びた嫌な相手だった。パク・ジュンソは球威が落ちたホン・サンサムの２球目をセンター前に弾き返した。続いてソン・アソプの送りバントで一死二塁。


キム・ジンウク監督はここでホン・サンサムをプロクターに交代した。一死二塁からプロクターはホン・ソンフンを歩かせると予想されたが、初球は直球のストライクだった。やや驚いた表情を見せたホン・ソンフンはまた打撃姿勢に入り、プロクターの速いテンポで２球目を投げた。プロクターの変化球はワンバウンドになり、斗山の捕手ヤン・ウィジはボールを後逸した。

その瞬間、パク・ジュンソは三塁に走った。ヤン・ウィジが急いで三塁に投げたボールは悪送球となり、左翼手キム・ヒョンスの前まで転がった。パク・ジュンソは必死にホームに向かって走り、生還した。

２０１０年の準プレーオフ“逆スイープ”の悪夢を経験していたロッテの選手が一斉にグラウンドに飛び出して喜んだ。パク・ジュンソとチームメートがホームで会った瞬間、２０１２秋のドラマ第１編が終わった。