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【コラム】韓国“アジュンマ”のパワー(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
韓国でアジュンマ(おばさん)は年配の女性をさげすんだり親しみを込めて呼ぶ言葉だ。隣の家の奥さんから市場や食堂で働く人に至るまで多様に呼ばれている。アジュンマは一般的にもじゃもじゃのパーマ頭にトレパンを履き、利害関係に目が利き、周辺を意識しない行動派という印象を与える。そのため世の中には男性と女性そしてアジュンマがいるという笑い話がある。

アジュンマは弱々しく軟弱な女性像よりは多少中性的なイメージが漂う。だからだろうか、実際にアジュンマである人々もアジュンマと呼ばれることを好まない。若い女性をアジュンマと呼べば自尊心が傷つけられけいれんを起こすかも知れない。私たちの周囲では類似の年配女性に対しアジュンマ、女史、奥様と多様に呼ぶ。主に社会的身分や経済力、年齢などを見ながらアジュンマが女史になり奥様にもなる。さらに女性同士でも「あなたはアジュンマ、私は奥様」という見えない差別的認識がある。

しかし社会的に評価が低く公然と無視されるアジュンマの裏面には、誰よりも熾烈に人生を過ごし家族と家庭を守ってきた根気と底力がある。いまやアジュンマに対する偏見を捨ててこれまでの功績を評価し、アジュンマに対する認識を新たにする必要がある。


韓国で妻の役割は伝統的に家庭という垣根で限定されていた。妻が家庭を抜け出し社会に入りアジュンマという呼称を受けることになった背景には女性の社会活動が自由になった点もあるが、別の見方をすればおじさんが社会生活をまともにできなかったためでもある。おじさんは職場を失ったり事業に失敗して失意に陥れば壁に向かい寝返りを打つ。そして腕をまくりあげ生活戦線に飛び込むのがヤクルトおばさんでアモーレおばさんだ。1970年代に農閑期に賭博と飲酒で歳月を過ごした男をセマウル精神で武装させ家庭と村内外の生活環境を変え所得増大を成し遂げた一番の貢献者もやはりアジュンマだ。別の見方をすれば男女平等実現の主役がアジュンマだ。(中央SAUNDAY第290号)



【コラム】韓国“アジュンマ”のパワー(2)

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