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【社説】「領土問題、冷静さを取り戻そう」と訴えた日本の知識人

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏など日本の知識人約1300人が昨日、韓国・中国・日本間の領土問題について声明を発表した。北東アジアの領土紛争で冷静さと自制を失わないことを呼びかけてきた私たちは、「いかなる暴力行使にも反対し、平和的な対話による問題解決を主張する。各国の政府とメディアは自国のナショナリズムを抑制し、冷静に対処する責任がある」という声明内容に共感する。

特に、独島(ドクト、日本名・竹島)と尖閣諸島(中国名・釣魚島)に関し、「ともに歴史(近代日本のアジア侵略歴史)問題を背景にしているという点を忘れてはならない」とし「韓国、中国が、もっとも弱く、外交的主張が不可能であった中で日本が領有した」と指摘した部分は意味深い。1910年の韓日強制併合は無効だと宣言した2010年の韓日知識人の共同声明を想起させた部分も注目される。中国で日中国交正常化以降最大規模の反日デモが行われ、日本でも右翼団体が連日、反韓・反中スローガンを叫ぶ雰囲気の中で出てきた勇気ある発言であり、評価するに値する。

国家間の懸案には領土問題だけがあるのではない。韓日中3カ国がこれにこだわって冷静さと自制を失えば、昨日の朝日新聞に掲載された作家・村上春樹氏のエッセーのように、「安酒に酔って騒いだ後、頭痛だけ残る」のが常だ。ドイツのヒトラーが第1次世界大戦で失った領土を回復するという政策で政権の基礎を固めたのが、後日どんな結果をもたらしたかという村上氏の指摘を、3カ国、特に日本の政治家は銘記しなければならない。


3カ国の葛藤はまだ消える気配はない。国連総会出席のためにニューヨークを訪問した野田佳彦日本首相は尖閣の国有化について「妥協する考えはない」と述べ、これに対し中国の人民日報は「汚い外交政策に熱中する日本の政客」という表現まで使った。金星煥(キム・ソンファン)韓国外交部長官もニューヨークでの記者会見で、やや激しい言葉で野田首相と日本の政治家を批判した。これでは事態が落ち着くどころか、さらに悪化するしかない。政権交代を控えて3カ国がブレーキのない葛藤と対立で一貫する場合、すべてに大きな損失と国格の失墜をもたらすのは言うまでもない。日本・台湾間の放水のようなものは下手をすると実際の銃撃戦につながるおそれがある。

3カ国の最高指導者から閣僚・政治家にいたるまで、まずは言葉から自制しなければならない。あえて韓国の例から挙げるなら、金星煥長官はAP通信とのインタビューで「日本の戦後世代はそのような意識(過去の歴史に対して申し訳ないという気持ち)が全くない」と述べたが、朝日新聞に痛烈なエッセーを掲載した作家の村上春樹氏は戦後世代(1949年生まれ)ではないのか。知識人の声明、村上氏の寄稿など日本の知性界の動きは、韓国・中国の知識人社会でも共感と省察の契機にできるのではないだろうか。



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