すぐにも火がつきそうな雰囲気だった日本と中国の尖閣諸島(中国名・釣魚島)領土紛争が小康状態に入った。 強硬姿勢を見せていた中国の習近平国家副主席が「平和」カードを持ち出してからだ。 習副主席は21日、広西チワン族自治区南寧で開かれた中国・東南アジア諸国連合(ASEAN)博覧会(CAEXPO)の基調演説で、「隣国との領土・領海・海洋権益紛争問題を平和的に解決する」と述べた。 日本政府も「特使派遣」など収拾策を摸索中だ。 国連総会期間に日中外相会談を開く案も推進される。 11日の日本の尖閣国有化措置以来、約10日間にわたり北東アジアに緊張をもたらした尖閣紛争の得失は何か。 韓国はいかなる教訓を得なければならないのか。
◇2日ぶりに態度を変えた習近平
北京外交関係者の間では、今回の事態を「ウィンウィン(win-win)」ではなく「ルーズルーズ(lose-lose)」ゲームだったと分析している。 両国ともに「得」より「失」が多かったということだ。
まず中国は体面を大きく汚した。 習近平副主席の「平和解決論」は国際社会の世論と米国に屈服した側面がある。 習副主席は19日、パネッタ米国防長官に会った席で、日本に対して「危険を迎えた後に目を覚ます(懸崖勒馬)愚を犯すな」と警告した。 中国外交でこの言葉は軍事行動直前の最後通牒と変わらない。 共産党機関紙の人民日報は1950年の韓国戦争参戦、1962年のインド国境戦争を行う直前、社説で米国とインドに向けてこの言葉を使用している。 また習副主席は米国に対し「他国の領土紛争に干渉するな」と要求した。 続いて尖閣国有化措置を「茶番」と陵蔑した。
しかし習副主席は2日後に態度を180度変えた。 北京のある外交消息筋は「パネッタの強力な警告が響いたようだ」と分析した。 パネッタ長官は習副主席の強硬発言に対し、「日中間に武力衝突が発生すれば介入するしかない」という点を明確にしたということだ。 結局、米国が勢力バランサーとしてアジア太平洋地域の不安要因を円満に抑制したという評価を受けることになった。
中国の超強硬対応に対し、国際社会の世論は否定的だった。 環球時報は21日、「世界が日中が争わないことを訴えている」とし、否定的な国際世論を伝えた。 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長も懸念を表明した。 このため中国の「和平崛起」は中国脅威論に飛び火した。 中国軍の将星は「戦争も辞さない」と述べ、陸海空合同で10日間、大規模な軍事訓練を2度も行い、5軍区に戦争準備態勢まで命令したからだ。 すると、東南アジア諸国はもちろん、インドまでも中国の武力による紛争解決の動きに懸念を表明した。 米国の望み通り、「中国脅威論」を中国が自ら表したのだ。
中国外交の言語暴力性も取り上げられている。 人民日報海外版は17日、「中国がひとまず経済制裁を実施すれば、比較的殺傷力が高く、日本の‘急所’を攻撃できる手段を使うはず」とし「中国は相手を1000人殺せるなら800人の損失を甘受できる」と伝えた。 習近平副主席の激しい発言も外交的欠礼に近い修辞だ。 中国の政治評論家の胡施氏は「品位を持って主張することを知らない中国社会の恥部を見せた代表的な例」と分析した。 このほか、官制デモ疑惑が強まり、中国の国格にも傷がついた。 20日の共同通信の報道によると、福建省の反日デモに参加したある男性は「100元(約1200円)を受けてデモに参加した人たちがいる」と証言した。 (中央SUNDAY289号)
日中尖閣紛争、国格傷つけ経済損失の“ルーズルーズ” ゲーム(2)
◇2日ぶりに態度を変えた習近平
北京外交関係者の間では、今回の事態を「ウィンウィン(win-win)」ではなく「ルーズルーズ(lose-lose)」ゲームだったと分析している。 両国ともに「得」より「失」が多かったということだ。
まず中国は体面を大きく汚した。 習近平副主席の「平和解決論」は国際社会の世論と米国に屈服した側面がある。 習副主席は19日、パネッタ米国防長官に会った席で、日本に対して「危険を迎えた後に目を覚ます(懸崖勒馬)愚を犯すな」と警告した。 中国外交でこの言葉は軍事行動直前の最後通牒と変わらない。 共産党機関紙の人民日報は1950年の韓国戦争参戦、1962年のインド国境戦争を行う直前、社説で米国とインドに向けてこの言葉を使用している。 また習副主席は米国に対し「他国の領土紛争に干渉するな」と要求した。 続いて尖閣国有化措置を「茶番」と陵蔑した。
しかし習副主席は2日後に態度を180度変えた。 北京のある外交消息筋は「パネッタの強力な警告が響いたようだ」と分析した。 パネッタ長官は習副主席の強硬発言に対し、「日中間に武力衝突が発生すれば介入するしかない」という点を明確にしたということだ。 結局、米国が勢力バランサーとしてアジア太平洋地域の不安要因を円満に抑制したという評価を受けることになった。
中国の超強硬対応に対し、国際社会の世論は否定的だった。 環球時報は21日、「世界が日中が争わないことを訴えている」とし、否定的な国際世論を伝えた。 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長も懸念を表明した。 このため中国の「和平崛起」は中国脅威論に飛び火した。 中国軍の将星は「戦争も辞さない」と述べ、陸海空合同で10日間、大規模な軍事訓練を2度も行い、5軍区に戦争準備態勢まで命令したからだ。 すると、東南アジア諸国はもちろん、インドまでも中国の武力による紛争解決の動きに懸念を表明した。 米国の望み通り、「中国脅威論」を中国が自ら表したのだ。
中国外交の言語暴力性も取り上げられている。 人民日報海外版は17日、「中国がひとまず経済制裁を実施すれば、比較的殺傷力が高く、日本の‘急所’を攻撃できる手段を使うはず」とし「中国は相手を1000人殺せるなら800人の損失を甘受できる」と伝えた。 習近平副主席の激しい発言も外交的欠礼に近い修辞だ。 中国の政治評論家の胡施氏は「品位を持って主張することを知らない中国社会の恥部を見せた代表的な例」と分析した。 このほか、官制デモ疑惑が強まり、中国の国格にも傷がついた。 20日の共同通信の報道によると、福建省の反日デモに参加したある男性は「100元(約1200円)を受けてデモに参加した人たちがいる」と証言した。 (中央SUNDAY289号)
日中尖閣紛争、国格傷つけ経済損失の“ルーズルーズ” ゲーム(2)
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