武力衝突危機に向かっていた日本と中国の間の尖閣諸島（中国名・釣魚島）領土紛争が、習近平中国国家副主席の「平和解決」一言で対話モードに変わった。中国の未来権力の力だ。習副主席は秋に開かれる第１８回党大会で党の総書記、来年３月に予定された全国人民代表大会（全人代）で国家主席に就任することが確実視されている。

習副主席は２１日午前、広西チワン族自治区南寧で開かれた中国・東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）博覧会（ＣＡＥＸＰＯ）の基調演説で、「隣国との領土・領海・海洋権益紛争問題を平和的に解決する」と述べた。

その後、中国外務省がまず態度を変えた。中国外務省の洪磊報道官はこの日午後、「日本は徹底的に自国の過ちを正すことで、対話と談判を通じて釣魚島問題を解決するところに戻らなければならない」と述べた。日本が１１日に尖閣諸島を国有化して以来、中国外務省が対話に言及したのは初めて。前日まで洪磊報道官は「今後起こりうるいかなる事態に対しても責任は日本にある」と、日本に対して警告と脅威を与えていた。


２５日から開かれる国連総会の期間中、日中外相会談も推進される。中国共産党も反応を見せた。共産党中央対外連絡部の楊燕怡部長補佐（次官級）をはじめとする党幹部が、日中政党間の交流プログラムの一環として２４－２７日に日本を訪問すると明らかにしたのもこの日午後だ。楊部長補佐らは訪日期間中、日本の民主党、自民党、公明党など政党関係者と会い、尖閣問題を協議する予定だ。

反日デモは小康状態ではなく、突然、暴力デモ参加者検挙事態に急変した。対日柔軟ジェスチャーだ。広東省インターネットメディアの大河網によると、深セン市公安当局は最近、反日デモ過程で発生した車両破壊や商店襲撃など暴力デモ容疑者２０人の写真を２２日に公開手配した。陝西省西安市公安も日本車を運転していた中国人に暴行を加えて重体にさせた容疑者の写真を公開し、手配した。

反日デモを黙認した２１日以前とは違う状況だ。特に北京公安当局は約１０日間、暴力デモを黙認していた。国外交学院の蘇浩教授は「これまでの状況を見ると、日本の一方的な釣魚島実効支配時代はすでに終了した」と述べ、「今後、対話を通じて釣魚島海域を中国と日本の共同管理、重複管理状態にしなければならない時期であり、領導者がこうした状況の展開をよく把握している」と分析した。

尖閣海域で日本巡視船と対立した中国の海洋監視船と漁業監視船もこの日現在１０隻に減った。一方、中国国家海洋局は領土紛争地域で衛星による監視観測とともに、無人偵察機の運用を近く本格化する予定だと、国営新華通信が２３日報じた。