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韓国で性犯罪者「物理的去勢」法案が国会提出…「人権侵害」懸念の声も

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
政界の一部で、残酷かつ常習的な性犯罪者を外科手術で去勢する制度(「物理的去勢」)の導入を推進中だ。しかし行き過ぎた人権侵害であり、時期尚早だという反対論も強い。紀元前2世紀の中国歴史家・司馬遷に執行された宮刑。現代版宮刑をめぐる論争が21世紀の韓国で行われている。

セヌリ党の朴仁淑(パク・インスク)議員は5日、性暴行犯罪者に対して「物理的去勢」を執行する内容の「性暴行犯罪者の外科的治療に関する法律案」を発議したと明らかにした。物理的去勢とは、男性ホルモンを分泌する睾丸を外科手術で除去し、性衝動を根本的になくしてしまうというものだ。

朴議員は刑罰の種類に懲役刑・死刑とともに「去勢刑」を含む刑法の一部改正案も提出した。朴議員が発議した法律案は、教化やリハビリが期待できず、再犯発生の危険性があると判断される性暴行犯罪者に限り、検事が裁判所に物理的去勢を請求できるようにしている。また、すでに性暴行犯罪で懲役刑以上の刑が確定し、治療監護または保護監護中の者に対しても去勢命令を請求できるようにした。


元韓国女性医師会会長の朴議員は「医療界で性衝動薬物治療(「化学的去勢」)は中断すればより強い性衝動が発生すると知られている」とし「物理的去勢が化学的方法よりも安全で根源的な処方」と述べた。

政府は性犯罪者に対する化学的去勢の範囲を16歳未満対象性犯罪者から19歳未満対象性犯罪者へと大幅に拡大することを検討中だが、それだけでは性犯罪の拡散を防ぐのは難しいということだ。

これが伝えられると、インターネットでは物理的去勢をめぐる賛否論争が激しくなっている。チン・ジュングォン東洋大教授はツイッターに「今はもう封建的な身体刑まで復活しそうだ。非常に低劣なポピュリズム」という内容のコメントを載せた。チン教授は「イスラム国家の斬首型、シンガポールの笞刑とともに、韓国が睾丸除去刑で世界人権史に永く輝く金字塔を建てるだろう」と皮肉った。

ネットユーザーの間では「物理的去勢は被害者の苦痛と比較にならない」という賛成論より、「性犯罪の予防にあまり役立たない」という反対意見が多かった。

一部、法律・医学専門家も反発した。人権侵害の可能性が高く、効果の立証がはっきりしていないという理由からだ。キム・スウン教授(ソウル大病院泌尿器科)は「物理的去勢は男性ホルモンを抑制させるのを越えて、不妊にしてしまうため、非倫理的な側面がある」と明らかにした。

二重処罰と男女性犯罪者間の不平等問題も論争になっている。男性連帯のソン・デギ常任代表は「懲役刑に続いて物理的去勢までするのは二重処罰であるうえ、約3%の女性性犯罪者との不平等問題が発生する余地がある」と指摘した。

物理的去勢法案は、2010年のキム・スチョル事件の発生後に申相珍(シン・サンジン)元セヌリ党議員が発議したが、人権団体の反発で通過しなかった。この制度を施行中のチェコやドイツなど欧州国家でも人権侵害をめぐる論争が絶えない。米国は全体50州のうちカリフォルニア・テキサスなど5つの州で物理的去勢を施行している。



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