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【時評】民族主義という名の怪物=韓国(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
一方、最近民族主義の火薬庫として浮上している地域が北東アジアだ。韓国と中国、そして日本。3カ国はそれ相応の十分な理由を持っている。

まず、3カ国は悠久な民族的アイデンティティを誇る。3カ国はそれぞれの領土で数千年の民族共同体を作ってきた。自ら世界の中心だと自負する中国の中華民族主義は長い説明は必要ない。日本はさらに独特だ。万世一系の天皇が治める神の国と考える。民族主義の土壌は深く豊かだ。

2番目に、決定的に3カ国は帝国主義と植民地の直接加害・被害当事者としてまだ生々しい記憶を持ったまま国境を接している。小さいことにもつらい記憶に民族主義がよみがえる。特に国境問題は帝国主義侵略の象徴であり一層民族感情を刺激する。中国と韓国では民族主義が独立運動の理念だったのでいまでも神聖だ。


3番目に、北東アジア地域は覇権移動の変革期だ。日本が沈み中国が阿片戦争以来100年ぶりに崛起しながら力の移動が急速に進み摩擦熱が起きるほかない。日本の喪失感と中国の自尊心は火力の良い焚きつけだ。

4番目に、2012年時点で3カ国はすべて権力移譲期だ。李明博(イ・ミョンバク)大統領の独島(ドクト、日本名・竹島)訪問と相次ぐ発言はレームダック大統領の自己救済策と分析される。日本の野田首相もやはり民主党政権の命運が傾角にさしかかった状況で「外交的に弱い」という非難に敏感にならざるをえない。10年周期の指導部交替を目前にした中国の場合さらに敏感だ。過去とは違い大衆的支持を意識しなくては権力の座に上がることも、維持することも難しくなった。中国人ネットユーザーの民族主義の熱気は爆発直前だ。中国はこのような熱気を適切に外部に発散することにより内部引き締めを試みてきた。

このような状況で最悪なのは「政治家による民族主義の刺激」だ。そうした点で李大統領の突然の対日強硬策は「正しい話」だが「望ましいことではない行動」だった。民族主義という怪物の手綱を離さないようにするなら冷静でなければならない。

オ・ビョンサン首席論説委員



【時評】民族主義という名の怪物=韓国(1)

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