「韓国が日本を追い抜いた今がイスラエル市場をつかめる適期」。

訪韓したイスラエル外務副大臣のダニー・アヤロン氏は２６日、ソウル漢南洞（ハンナムドン）の大使官邸で韓国・イスラエル自由貿易協定（ＦＴＡ）締結の必要性を強調してこのように述べた。軍事協力を結んでいる韓国を窓口に、アジア市場との関係を発展させたいとの意思も明らかにした。在韓イスラエル大使のトゥビア・イスラエリ氏も「イスラエルは自動車も生産せず牛肉も輸出していないので、ＦＴＡの締結はよりスムーズに行われるだろう」と言い添えた。

アヤロン副大臣は「イスラエルはすでに法的検討を終えており、韓国側の回答を待つのみ」とし「来年の夏を目処に妥結を希望する」と述べた。イスラエルは米国・欧州連合（ＥＵ）・カナダ・南米共同市場（メルコスール）等とＦＴＡを結んでいるが、アジアで協定を結んでいる国はまだない。一方でアヤロン副大臣はイラン問題についても確固たる立場を明らかにした。


－－韓国がイラン産原油の禁輸措置に賛同した。

「正しいことを行っていると信じており、非常にありがたく思う。イランが核武装すれば今より１０倍は危なくなる」

－－しかしイランが韓国製品の輸入を全面中断すると脅している。

「ただの心理戦に過ぎない。イランは脅迫をたびたび口にするが、貫徹したことがない。いつもこっそりとと尾を下げる」

－－原油輸入中断にエネルギー大乱を心配する人々もいる。

「米国やイスラエルなど、国際社会が絶対そんなことをさせないよう働きかけるだろう。現在、サウジアラビア・イラク・リビアは原油を増産して新しい油田も開発されている。特にイラン産原油は質が保障できないので輸入再開は非常に危険だ」

－－最近、ブルガリアで起きた自殺爆弾テロの背後にヒズボラ勢力があると見られているが。

「イランはヒズボラだけでなく、世界のテロ団体の主な助力者だ。われわれはイランが北朝鮮のように自分勝手にふるまうよう放置することは絶対にないだろう。イラン・北朝鮮・シリアのような国家は適当な時期に圧迫を加えなければならない」

－－シリア情勢をどのように見ているか。

「われわれはアル・アサドが馬鹿げた真似（化学兵器の投入）をするとばかりは見ていない。急進イスラム主義者が勢力を取れば“アラブの春”は終わり“アラブの冬”が来てしまうだろう」