与野党大統領選挙予備候補らの福祉拡大と経済民主化公約がぜいたくと感じるほど韓国経済が速いスピードで凍りついている。このままいけば３％経済成長も大言壮語になる厳しい状況だ。何より欧州と中国から吹きつける逆風が尋常でない。スペインは１０年満期の国債収益率が７．５８％まで沸き上がり国債を正常に発行し難い窮地に追い込まれた。救済金融申請が秒読みに入ったのだ。ユーロゾーンの最後の救援投手であるドイツ経済も国家信用等級が「否定的」に削られるほど揺らいでいる。 韓国の最大輸出市場である中国まで７．５％経済成長のマジノ線で苦戦している。

政策当局も先進国・新興市場の同伴沈没に緊張する雰囲気だ。スマートフォン特需を享受する電子を除いて５大輸出品目である船舶・石油・鉄鋼・機械輸出が一斉に減少している。消費者心理指数は２カ月連続下落して、内需拡大で輸出不振を埋めようとしていた夢は水の泡になった。今年の設備投資増加率も当初６．２％の展望値を５．８％に下げるほど企業らの投資心理が凍りついている。輸出・消費・投資が一度に沈みながら韓国経済も最悪のシナリオまで排除することができない状況に達した。

金仲秀（キム・ジュンス）韓国銀行総裁は昨日、国会で「今年経済成長率展望値を３％と捉えたが下方リスクがある」と答えた。追加予算編成の可能性を否認し続けてきた朴宰完（パク・ジェワン）企画財政部長官も一昨日、国会答弁で「追加経費編成を完全に排除するのではない」という側に転じた。もちろん韓国経済の不安は政策失敗とみるより外部環境によることが大きい。だが、このまま放置していては潜在成長率にも至らない３％成長も難しいという危機意識が政策当局者の間に広がり始めたのだ。


少し前、韓銀が基準金利を下げたことと財政部が財政の早期執行を促すのは家計と企業の心理的萎縮を防ごうとする一時的な方便に過ぎない。本当の勝負はこれからだ。経済成長率が２％台に座りこんだり、ヨーロッパ・中国から予想外の寒波が押し寄せたりしたら私たちも追加経費編成と果敢な基準金利引下げを迷ってはいけない。李明博（ イ・ミョンバク）政府は約束通り「死而後已（死ぬまで努力し続ける）」の覚悟で経済を守っていくことにまい進しなければならないだろう。あらかじめ最善の方策を用意して、最も適切な時期に果敢に勝負の賭けに出てこそ政策効果を高めることができる。

与野党大統領選挙予備候補らはバラ色の公約に先立ち韓国経済が処した冷厳な現実を直視しなければならないだろう。韓国社会は１９９７年、金泳三（キム・ヨンサム）政府のレイムダックと与野党の過熱した大統領選挙争いが重なりながら外国為替危機を自ら招いた辛い経験を鮮明に記憶している。ともすると次期政府は福祉拡大や経済民主化公約をたたんで、目前の経済危機に対抗して国民に汗と涙から要求しなければならないかもしれない。 経済守りに失敗すれば働き口・福祉・経済民主化は空念仏に過ぎない。大統領選挙予備走者が派手な未来より直ちに韓国経済をどのように守れるか、その能力から見せたらいい。