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【社説】韓国大統領選を控えてまた新空港?

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
セヌリ党の釜山(プサン)地域の国会議員15人が釜山国際空港公社法案を発議した。金海(キムヘ)空港を株式会社形態の釜山国際空港公社に転換するという内容だが、事実上、新空港を釜山加徳島に誘致するための布石だ。これに対抗し、大邱(テグ)・慶尚北道(キョンサンブクド)地域のセヌリ党議員11人も仮称「南部圏新空港法」を発議しようとしている。「前回の総選挙で地方区に公約した内容を実行する措置」というのが双方議員の説明だが、昨年3月の「東南圏新空港」白紙化後に静まっていた釜山対大邱・慶北の地域主義がまた衝突し始めたのだ。これには、大統領選挙を控え、有力候補から新空港建設公約をあらかじめ受けようという政治的計算がある。

東南圏の新空港は加徳島であれ密陽(ミルヤン)であれ10兆ウォン(約7000億円)以上かかる超大型国策事業だ。単純な地域事業でない。しかし昨年3月に現地調査した新空港立地評価委員会は「経済性が落ちる」と判定した。これに先立ち09年に妥当性調査をした国土研究院も同じ結論を出した。両候補地ともに地形条件がよくないため、敷地の造成に5兆ウォン近くかかるというのが決定的な理由だった。投入費用に対する予想収益が仁川(インチョン)空港の半分にもならない水準だった。にもかかわらず嶺南(ヨンナム)圏の議員が新空港をまた持ち出したのは、経済論理ではなく、徹底的に政治論理に基づくものとしか考えられない。

私たちは大統領選挙の度に、大型ばらまき国策事業公約で苦労してきた。セマングム、世宗(セジョン)市、4大河川事業もそうだった。例外なく大きな問題を抱えることになり、国力消耗と予算浪費を繰り返した。政治論理で建設した地方空港も同じだ。14カ所のうち11カ所が‘税金を食うカバ’として放置されているのが悲しい現実だ。こうした経験から、韓国社会に新しい共感が幅広く形成されているのは幸いだ。綿密な妥当性調査なしに大型国策事業を大統領選の公約に入れるべきでないというのがそれだ。


新空港の白紙化による嶺南圏住民の虚脱感と挫折感を知らないはずはない。 最近、中国・日本人観光客が増え、金海空港の今年上半期の利用客が過去最大の200万人を超えたのも事実だ。 しかし半額大学授業料、無償給食、無償保育など、あちこちでお金がかかり、国の財政に余裕がないことも考える必要がある。 私たちはいつか嶺南圏の新空港が経済的妥当性があると判明する日が来ることを信じる。 その時は誰も反対しないだろう。

今は大統領選挙の予備候補が新空港の政治的誘惑に負けてはいけない。 セヌリ党は前回の総選挙でも新空港公約を自ら取り下げたではないか。 新空港は大統領選挙後に慎重に経済性を評価した後、もう一度推進するかどうか判断しても決して遅くはない。 むしろ今は増える需要に合わせて金海空港を拡張したり、嶺南圏の住民が仁川空港に容易にアクセスできるようKTX(高速鉄道)路線を調整することを考えなければならない時だ。



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