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【社説】李大統領ののど元まで迫る貯蓄銀行ロビー

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
李明博(イ・ミョンバク)大統領の最側近のキム・ヒジュン第一付属室長がきのう辞意を表明した。キム室長は李明博大統領が国会議員だった1997年に6級議員補佐官として採用された後、2002年にソウル市長儀典秘書官、2007年の大統領選挙で陣営のスケジュール担当チーム長を経て現在に至るまで15年にわたり李大統領に仕えた。

キム室長が突辞意を表明した背景は貯蓄銀行をめぐる不正のためと推測される。きのうある新聞はソロモン貯蓄銀行のイム・ソク会長が2010年ごろに整理を防ぐため普段から親しかったキム室長に数千万ウォンあるいは数億ウォンの資金を提供したと報道した。イム会長は李相得(イ・サンドゥク)元議員と鄭斗彦(チョン・ドゥオン)議員に数億ウォンを提供した容疑で逮捕されている。公式には内偵の事実を否定してきた検察はキム室長の辞意表明を受け本格的な捜査に入る準備を整えている。青瓦台(チョンワデ、大統領府)が独自調査を断念しキム室長を事実上更迭したのも検察の捜査を妨害してはならないという世論の流れを意識したためだろう。

李大統領は2011年に貯蓄銀行事件が起きた際に金融当局の不正の連鎖と政界のポピュリズムを痛烈に叱責した。そんな大統領が青瓦台内部の取り締まりには手をつけなかったのか尋ねないわけにいかない。貯蓄銀行不正と関連し大統領の実兄と側近政治家らがかかわった事実が次から次へと現れており惨憺なことこの上ない。検察もこれまでの消極的な態度から抜け出しキム室長に対する広範囲で集中的な捜査を行わなければならない。大統領の実兄と政界にまで手をつけた検察がためらう理由はない。


青瓦台第1付属室長は大統領の動線と日程をまとめ、大統領と会ったり電話する人々を詳しく把握するだけでなく、大統領との接触頻度を技術的に調整でき、ドアノブの権力者というニックネームがつく。このために金泳三(キム・ヨンサム)大統領当時のチャン・ハクロ付属室長や盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領当時のヤン・ギルソン付属室長も金品授受と接待などを受け辞表を出した。

李明博大統領は「道徳的に完ぺきな政権」と自負してきた。しかし大統領の自信と違い腐敗勢力が青瓦台の居間にまで浸透するほど権力内部は徹底的に腐敗していたことになる。いまや李大統領はこれ以上待つ理由はない。失望して憤怒する国民に向かって心を込めて謝罪をしなければならない。



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