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【取材日記】北朝鮮が直視すべき現実

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮の憲法序文はこのように始まる。 「朝鮮民主主義人民共和国は偉大な首領・金日成(キム・イルソン)同志と偉大な領導者・金正日(キム・ジョンイル)同志の思想と領導を具現した主体の社会主義祖国だ」。

憲法より上位概念という労働党規約の前文の最初もこうだ。 「朝鮮労働党は偉大な首領・金日成同志の党だ」。30の文章からなる前文のうち3、4の文章を除いて、「金日成・金正日の党」に傍点がある。

逆説的だが、「人民共和国」の北朝鮮で神聖不可侵の領域は人民でない。 その場は金日成と金正日が占めている。 北朝鮮が改定憲法に「核保有」を明記し、これを「金正日の業績」と釘を刺す措置の意味とその反響が大きい理由だ。


世論の流れも尋常でない。 北朝鮮の内心が明確に表れただけに、北核交渉20年の失敗を認め、根本的に対北朝鮮接近法を変えるべきだという主張が出てきている。 政界では韓国内の米戦術核再配置のほか、独自の核武装論まで提起されている。 北朝鮮の核が頭の上にあっては韓国の安保を担保することはできないという論理だ。

これとは違う見方もある。 金正恩(キム・ジョンウン)の国内基盤強化のために対内的に取った措置であり、憲法は党規約の下位概念であるため、大きな意味はないという主張だ。 金正恩の今後の「意志」と「言葉」がもっと重要ということだ。

一理あるが、過去の交渉を振り返ると話は変わる。 米国と韓国は1992年の南北非核化宣言が北朝鮮の核開発で事実上死文化したが、これに目をつぶった。 北朝鮮が交渉にさえ出てくれば「進展」と評価した。 その間、北朝鮮が核実験を2度もしたにもかかわらずだ。

核保有の明記後、ある読者が長い内容のメールを送ってきた。 「良いものが良い」という形で続けてきた対北朝鮮交渉方式を変えなければならないという指摘だった。 「北朝鮮は核をつくる意志も能力もない」「韓国が経済的支援をすれば北朝鮮は必ず核を放棄する」など過去の大統領の発言も批判した。

こうした意見が現実的な動きにも反映されている。 特に北朝鮮の民主化、すなわち「体制転換」運動で北朝鮮の核問題を解決すべきだという声が公論化され始めたという点が注目される。 1日に開かれた韓日中「済州フォーラム」でも出てきた主張だ。

北朝鮮がモデルとする核保有国インド・パキスタン・イスラエルは北朝鮮と違う。 開放された社会だ。 閉鎖社会の北朝鮮は核保有に固執するほど、国際社会の圧力と民主化運動はさらに強まるはずだ。 北朝鮮には外部のエネルギーを受ければ爆発する住民2000万人がいる。 政権安保のために選択した核保有戦略が正反対の結果につながる可能性があるという点、北朝鮮の新しい指導部が直視しなければならない現実だ。

キム・スジョン政治部記者



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