米国西部海域で捕えられたホンマグロが日本の福島原子力発電所から漏れ出た放射能に汚染されていたと発表された。福島第１原発事故で放出された放射性セシウムが、昨年米カリフォルニア州近隣海域で捕えられたホンマグロから１年前より１０倍ほど高く検出されたとＣＮＮがスタンフォード大学研究チームの研究結果を紹介した米国立科学院会報を引用して報道した。

研究チームは原発事故が発生した５カ月後の昨年８月にサンディエゴ付近で捕獲したホンマグロ１５匹の組織を調査した。その結果すべてのホンマグロからセシウム１３４とセシウム１３７が検出された。濃度は１キログラム当たり約１０ベクレルだった。だが、日本が食品に対して規定している放射性セシウムの基準値を下回る濃度だ。

セシウム１３７は半減期が約３０年と長い。１９５０～６０年代に地上核実験で放出された放射性物質がいまも残っている可能性もある。だが、セシウム１３４は半減期が２年半と短く、「間違いなく福島原発のもの」というのが研究チームの見解だ。