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【取材日記】南大門市場から値段交渉が消えれば…

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
17日午後、ソウル南大門(ナムデムン)市場。 日本から観光に来た大野亜希子さん(33)がショッピングをしていた。 ここで靴下・ジーンズ・Tシャツを買った大野さんは「南大門市場では『ディスカウントしてほしい』『おまけがほしい』などと韓国語で話さなければいけないことは日本でもよく知られている」とし「店の人が高い値段を言うと、自分がずっと低い値段を要求しながら値段交渉をするのが本当におもしろい」と話した。

このように客と店員が駆け引きをする場面が1カ月半後には消える。 ソウル中区庁が7月1日から南大門市場に価格表示制を義務づけたからだ。 実際、これは南大門市場が自ら招いたものだ。 いくつかの店が外国人観光客に不当な金額の支払いを要求したのが問題になった。 中区庁は「南大門市場に対する消費者の信頼回復のため、価格表示義務制の施行を決定した」と説明した。

価格表示制のため、商人は頭を悩ませている。 南大門で15年間にわたり衣類店を経営してきたチョンさん(42)は「割引をしたり、おまけを付けたりする面白さのために人が集まるが、観光客だけでなく国内の客までも失わないか心配だ」と語った。 匿名を求めた別の商人は「問題は、食べてしまった後に要求される金額を支払わなければならない屋台から生じたのに、すべての店が価格表示をするというのは無理がある」と話した。


実際、南大門の値段交渉文化は観光客を呼ぶ要素でもある。 日本の韓国観光ガイドブックには「南大門では『高い』『ディスカウントしてほしい』と言わなければいけない」などと、一種の行動指針(?)が書かれているほどだ。 商人は「一部でぼったくりがあったといっても、南大門市場の魅力を落とす価格表示をあえてしなければいけないのか」と反論する理由だ。 商人は「価格表示を施行したとしても、消費者に不当な値段を要求する行為でなければ、適当なラインで取り締まりをしてほしい」と望んでいる。

しかしそれだけでは足りないだろう。 この際、南大門市場が‘もう一つの魅力’を作りだす努力が必要だ。 変化なく50年、100年と続く事業はどこにもない。 南大門市場が今後も東アジアの名所として残るための方法を見つけようとする商人の姿勢が重要だ。

ウィ・ムンヒ経済部門記者



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