日本の世界的な経営コンサルタントの大前研一氏(69)は1999年、「韓国は絶対に先進国になれない」という文を発表し、論議を呼んだ。 7年前の中央日報のインタビューでは「韓国が日本に追いつくのはまだまだだ」とも述べた。 大前氏の最近の考えはどうなのか。 また、韓国にも日本と同じような高齢化、低成長、長期不況の影が見え始めている最近、両国のための提言は何かも尋ねた。 書面・電話インタビューを要請してから数カ月後、「記者との対面インタビューにのみ応じる」という回答があった。 韓国メディアとは約2年ぶりのインタビューとなる。 8日、皇居と靖国神社がある東京千代田区の大前氏の事務所を訪れた。
古色蒼然たる褐色の壁の2階建て建物に入ると、1階のロビーの壁に「ビジネス・ブレークスルー」という案内板が目に入った。 大前研一氏が設立し、学長を務める経営大学院兼経営コンテンツ提供会社の名前だ。 事業の突破口や経営解決法という意味だ。 インタビューは2階の大前氏の事務所の隣にある応接室で行われた。 韓国を200回以上も訪問している知韓派にふさわしく、多くの賞牌の中でも高麗(コリョ)大訪問教授、梨花(イファ)女子大名誉碩学教授の委嘱状が目を引いた。 グレーの縞柄のスーツにノータイ姿で現れた大前氏の最初の印象は、年齢より若く、活気に満ちているという感じだった。 2時間半ほど席を外さず熱弁した。
--最近、主にしていることや関心事は。
「ビジネス・ブレークスルーで6000時間分量の講義・映像コンテンツを制作した。 サムスン企業の支配構造など韓国企業のイシューも授業テーマだ。 世界のどこでもスマートフォンで勉強できるモバイル講義システムを構築した」
--韓国経済をどう見ているか。 オバマ米大統領は韓国に賛辞を送り、サムスン電子など多くの大企業が好調だ。 しかし低成長に対する懸念も強い。
「韓国は1997年に通貨危機を経験したが、私が韓国経済の遅い構造改革を批判した99年以降13年間、大きな進歩を遂げた。 サムスン電子、現代(ヒョンデ)自動車などグローバル企業が誕生し、海外留学後に英語と情報技術(IT)で武装した優秀人材があふれている。 しかし一段階さらに飛躍するには課題が多い。 まずしっかりとした中小企業を育成しなければならない。 現在の韓国の中小企業は魅力がない。 大企業の下請け業者にすぎない。 このため韓国の人材は大企業就職または公務員試験にこだわる。 ところが韓国大企業はグローバル企業になり、海外人材の採用比率を増やし、韓国内の採用は減らしている。 韓国の若い人材が就職難に苦しんでいる理由だ。 国レベルで青年創業育成策を通じて斬新なベンチャー企業をたくさん誕生させる必要がある。 このように良い人材が多いのに、なぜ韓国に‘アジアのシリコンバレー’のようなものを作ると考えないのか。 大企業が大学と手を組んで青年創業を積極的に支援すれば、大企業に対する国民のイメージも改善されるだろう」
--中小・ベンチャー企業の育成もよいが、現在は大企業も成長に困難を感じている。
「大企業が持続的に成長するには、ガバナンス(統治力)を確立しなければならない。 サムスン、現代自動車、ポスコも同じだ。 このうち最も規模が大きいサムスンを見てみよう。 グループ売上高の比率の70%を占めるサムスン電子の場合、外国人投資家が50%以上の株式を保有している。 外国人投資家がそれほど大きな声を出さないのは、李健熙(イ・ゴンヒ)会長のリーダーシップを信じているからだ。 問題は李会長後のサムスンだ。 実績が良くなければ外国人投資家は直ちに経営権の交代などを要求できる。 大株主の持ち株比率を高めればよいが、資金がかかる。 それが容易でなければ、長期的な系列分離が可能だ。 日本も草創期には5大財閥が率いたが、いまはすべて分化し、企業別の競争力と日本産業を育てた」
--韓国は12月に大統領選挙がある。 政権の課題は。
「立派な指導者像が切実だ。 韓国内では論議の余地があるだろうが、外から見ると、金大中(キム・デジュン)元大統領と李明博(イ・ミョンバク)大統領を高く評価する。 金元大統領は果敢な構造改革で韓国を通貨危機から救った。 金元大統領でなければ、今日のサムスン電子や現代自動車はなかったかもしれない。 李大統領は国際社会で韓国の国家的な位置づけを高めた。 米国と同伴者的な関係を築いた点は認めなければならない。 日本では80年代に中曽根康弘元首相がこうした役割を果たした。 もちろん李大統領が‘747公約(7パーセントの経済成長率、1人当たりの国民所得4万ドル、韓国を7大経済強国に育成する)’などの失敗や疎通の不在で韓国国内の支持率が低いことを知っている。 韓国の大統領選挙の候補が現大統領を低評価して国民に迎合しようとすれば、これは国家的な不幸だ。 国民に追従し、ばらまき政策を出す政治家は今の日本に多い。 必要ならいくらでも輸入すればいい」
大前氏「韓国、過剰福祉で低成長する日本の轍を踏むべきでない」(2)
古色蒼然たる褐色の壁の2階建て建物に入ると、1階のロビーの壁に「ビジネス・ブレークスルー」という案内板が目に入った。 大前研一氏が設立し、学長を務める経営大学院兼経営コンテンツ提供会社の名前だ。 事業の突破口や経営解決法という意味だ。 インタビューは2階の大前氏の事務所の隣にある応接室で行われた。 韓国を200回以上も訪問している知韓派にふさわしく、多くの賞牌の中でも高麗(コリョ)大訪問教授、梨花(イファ)女子大名誉碩学教授の委嘱状が目を引いた。 グレーの縞柄のスーツにノータイ姿で現れた大前氏の最初の印象は、年齢より若く、活気に満ちているという感じだった。 2時間半ほど席を外さず熱弁した。
--最近、主にしていることや関心事は。
「ビジネス・ブレークスルーで6000時間分量の講義・映像コンテンツを制作した。 サムスン企業の支配構造など韓国企業のイシューも授業テーマだ。 世界のどこでもスマートフォンで勉強できるモバイル講義システムを構築した」
--韓国経済をどう見ているか。 オバマ米大統領は韓国に賛辞を送り、サムスン電子など多くの大企業が好調だ。 しかし低成長に対する懸念も強い。
「韓国は1997年に通貨危機を経験したが、私が韓国経済の遅い構造改革を批判した99年以降13年間、大きな進歩を遂げた。 サムスン電子、現代(ヒョンデ)自動車などグローバル企業が誕生し、海外留学後に英語と情報技術(IT)で武装した優秀人材があふれている。 しかし一段階さらに飛躍するには課題が多い。 まずしっかりとした中小企業を育成しなければならない。 現在の韓国の中小企業は魅力がない。 大企業の下請け業者にすぎない。 このため韓国の人材は大企業就職または公務員試験にこだわる。 ところが韓国大企業はグローバル企業になり、海外人材の採用比率を増やし、韓国内の採用は減らしている。 韓国の若い人材が就職難に苦しんでいる理由だ。 国レベルで青年創業育成策を通じて斬新なベンチャー企業をたくさん誕生させる必要がある。 このように良い人材が多いのに、なぜ韓国に‘アジアのシリコンバレー’のようなものを作ると考えないのか。 大企業が大学と手を組んで青年創業を積極的に支援すれば、大企業に対する国民のイメージも改善されるだろう」
--中小・ベンチャー企業の育成もよいが、現在は大企業も成長に困難を感じている。
「大企業が持続的に成長するには、ガバナンス(統治力)を確立しなければならない。 サムスン、現代自動車、ポスコも同じだ。 このうち最も規模が大きいサムスンを見てみよう。 グループ売上高の比率の70%を占めるサムスン電子の場合、外国人投資家が50%以上の株式を保有している。 外国人投資家がそれほど大きな声を出さないのは、李健熙(イ・ゴンヒ)会長のリーダーシップを信じているからだ。 問題は李会長後のサムスンだ。 実績が良くなければ外国人投資家は直ちに経営権の交代などを要求できる。 大株主の持ち株比率を高めればよいが、資金がかかる。 それが容易でなければ、長期的な系列分離が可能だ。 日本も草創期には5大財閥が率いたが、いまはすべて分化し、企業別の競争力と日本産業を育てた」
--韓国は12月に大統領選挙がある。 政権の課題は。
「立派な指導者像が切実だ。 韓国内では論議の余地があるだろうが、外から見ると、金大中(キム・デジュン)元大統領と李明博(イ・ミョンバク)大統領を高く評価する。 金元大統領は果敢な構造改革で韓国を通貨危機から救った。 金元大統領でなければ、今日のサムスン電子や現代自動車はなかったかもしれない。 李大統領は国際社会で韓国の国家的な位置づけを高めた。 米国と同伴者的な関係を築いた点は認めなければならない。 日本では80年代に中曽根康弘元首相がこうした役割を果たした。 もちろん李大統領が‘747公約(7パーセントの経済成長率、1人当たりの国民所得4万ドル、韓国を7大経済強国に育成する)’などの失敗や疎通の不在で韓国国内の支持率が低いことを知っている。 韓国の大統領選挙の候補が現大統領を低評価して国民に迎合しようとすれば、これは国家的な不幸だ。 国民に追従し、ばらまき政策を出す政治家は今の日本に多い。 必要ならいくらでも輸入すればいい」
大前氏「韓国、過剰福祉で低成長する日本の轍を踏むべきでない」(2)
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