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【噴水台】無限競争に苦しむ自営業者の血と汗で作られる暮らしやすい韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
真夜中に豚足が食べたいですか。難しくありません。電話1本で大丈夫です。深夜2時であれ3時であれ、おかもちを持ったバイクが弾丸のように駆け付けます。深夜に夫婦げんかで一戦交え家を出てきたが行く所がないですか。心配ありません。チムジルバン(サウナ)に行けばいいです。夜にも明かりを灯した飲み屋に行きお酒一杯で憂さ晴らししてもかまいません。深夜0時にビールがなくなりましたか。問題ないです。コンビニエンスストアにちょっと行ってくればいいです。海外に住んだことがある人々は知っています。世の中にこんな国はないことを。(お金さえあれば)韓国のように住みやすい国はないです。この気楽な韓国の秘密? それは無限競争に追いやられた零細自営業者の血と汗と涙です。

2010年基準で韓国の就職人口の29%が自営業者といいます。食堂や飲み屋、カラオケ、理髪店、美容室、モーテル、浴場、不動産仲介業など、家族の労働に依存する雑貨屋水準の「mom-and-pop business」で生計を維持する人が労働者10人のうち3人の割合ということです。米国は100人中7人にしかならないです。特に人口1000人当たりの飲食店数は韓国が12.2軒で世界で一番多いです。米国は1.8軒にすぎません。どこへ行ってもありふれているのが飲食店のため店主は必死な生存競争を行っています。しかし飲食店をして得られる月平均純利益は141万ウォンにしかならないといいます。

働き盛りの年齢で職場から押し出されたベビーブーム世代が再就職をするのは空の星を取るようなものです。それでだれもが創業市場に集まっています。中小企業庁によると今年第1四半期の新設法人数は1万9048社で過去最高記録を更新したそうです。84%が資本金1億ウォン未満の小資本創業で、創業者の60%が50代以上です。創業しても成功の可能性はきわめて低いです。大当たりを夢見るものの、たいてい落ちぶれて一文無しになります。毎年100万人が創業して80万人が廃業するのが現実です。退職金に家までなくして貧困層に転落するケースは頻繁にあることです。個人負債増加の主犯のひとつです。暮らしやすい大韓民国の残念な真実です。


ベビーブーム世代に当たる1955~63年生まれだけ700万人です。期待寿命はますます増えています。零細自営業者が継続して増えるほかない構造です。自身の能力と努力で事業に成功するのは素敵な夢です。サラリーマンのロマンでもあります。しかし経験と準備なしで事業に成功するのは本当に大変です。隙間に食い込む「ニッチ戦略」が重要だと言っても言葉ほど簡単なことではありません。小資本創業と廃業の悪循環は個人の問題だけで片付けることではありません。国と社会がともに悩んで対策を見つけなければならない深刻な問題です。ともすると暮らしやすい韓国の爆弾になりかねません。

ペ・ミョンボク論説委員



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