「検疫を強化するが、輸入は継続する」。韓国政府が長考の末に出した米国産牛肉の解決法だ。
徐圭龍(ソ・ギュヨン)農林水産食品部長官は26日、「米国のBSE(牛海綿状脳症)感染牛が30カ月以上の乳牛である点などを総合的に考慮する場合、輸入される米国産牛肉は安全だ」と述べた。政府は前日に3%から10%に高めることにした米国産牛肉の検査比率を、この日、30%まで高めた。チェ・ウォンボク梨花女子大教授(国際法)は「通商摩擦か、08年に国民にした約束を守るかの別れ目で、政府が‘危険の程度に基づく判断’という原則論を選んだ」と解釈した。
韓国政府の判断には「家畜法34条3項」のジレンマがある。家畜伝染病予防法34条3項は「牛肉輸入を中断して再開する場合、輸入条件に対して国会の審議を受けなければならない」という規定だ。08年の‘BSE事態’の3カ月後に改正された内容だ。当時、李石淵(イ・ソクヨン)法制処長は「輸入衛生条件は行政府が管轄する告示だが、これを国会で審議することにしたのは違憲の可能性がある」と指摘した。しかしBSE波紋にこうした指摘は埋もれた。
1月にカナダ産牛肉の輸入を9年ぶりに再開する場合も、「34条3項」のために政府と野党・市民団体は対立した。「BSEトラウマ(精神的外傷)」の根源である米国産牛肉は、カナダ産とは比較にならないほどの葛藤が避けられない。韓国政府の関係者は「国会の審議は米国産牛肉再議論要求につながるしかない」とし「北朝鮮の核問題など韓米の懸案を考えれば大きな負担になる」と述べた。
心配は現実になっている。民主統合党と統合進歩党は26日、輸入の中断と再議論を要求した。すでに輸入された牛肉に対する全数調査も主張した。セヌリ党も「必要なら輸入中断も必要」という立場を明らかにした。もちろん検疫・輸入中断は消費者の不安をなだめる効果がある。しかし長期化すれば世界貿易機関(WTO)提訴など通商摩擦は避けられない。
国内の要求は受け入れて莫大な費用を支払った経験はすでにある。2014年まで開放が猶予されたコメ市場を早期に開放しようという議論が09年にあった。しかし国会・農民団体の反発が激しく、政府はあきらめた。この代価として、5年間に1042億-2136億ウォンの追加費用が発生した。
対外経済政策研究院のソ・ジンギョ研究委員は「牛肉問題でWTOに提訴されれば、安全はむしろ後退することになる」とし「今は30カ月未満の牛肉だけを輸入しているが、国際獣疫事務局(OIE)の規定がそのまま適用されれば30カ月以上の牛肉も輸入しなければならない」と述べた。
チョン・インギョ仁荷大教授(経済学)は「提訴した国の被害に相応する費用を補償したり、それに相当する貿易報復をするのがWTOの原則」とし「国際的な信頼の低下による、目に見えない被害も非常に大きい」と述べた。昨年の米国産牛肉の輸入額は5億6301万ドルで、過去に輸入が多かった場合は8億5000万ドルにのぼる。
韓国外大のイ・ジョンヒ教授(政治外交学)は「与野党ともに不安感を拡散させたり、漠然とした対策ばかり出している。消費者が原産地偽装などを再確認できる牛肉履歴管理法など実質的法案を早期に処理するのが不安を解消する方法」と述べた。この法は第18代国会で処理できなければ廃棄される。
韓国政府、輸入再開時は国会で再議論…家畜法34条3項ジレンマ(2)
徐圭龍(ソ・ギュヨン)農林水産食品部長官は26日、「米国のBSE(牛海綿状脳症)感染牛が30カ月以上の乳牛である点などを総合的に考慮する場合、輸入される米国産牛肉は安全だ」と述べた。政府は前日に3%から10%に高めることにした米国産牛肉の検査比率を、この日、30%まで高めた。チェ・ウォンボク梨花女子大教授(国際法)は「通商摩擦か、08年に国民にした約束を守るかの別れ目で、政府が‘危険の程度に基づく判断’という原則論を選んだ」と解釈した。
韓国政府の判断には「家畜法34条3項」のジレンマがある。家畜伝染病予防法34条3項は「牛肉輸入を中断して再開する場合、輸入条件に対して国会の審議を受けなければならない」という規定だ。08年の‘BSE事態’の3カ月後に改正された内容だ。当時、李石淵(イ・ソクヨン)法制処長は「輸入衛生条件は行政府が管轄する告示だが、これを国会で審議することにしたのは違憲の可能性がある」と指摘した。しかしBSE波紋にこうした指摘は埋もれた。
1月にカナダ産牛肉の輸入を9年ぶりに再開する場合も、「34条3項」のために政府と野党・市民団体は対立した。「BSEトラウマ(精神的外傷)」の根源である米国産牛肉は、カナダ産とは比較にならないほどの葛藤が避けられない。韓国政府の関係者は「国会の審議は米国産牛肉再議論要求につながるしかない」とし「北朝鮮の核問題など韓米の懸案を考えれば大きな負担になる」と述べた。
心配は現実になっている。民主統合党と統合進歩党は26日、輸入の中断と再議論を要求した。すでに輸入された牛肉に対する全数調査も主張した。セヌリ党も「必要なら輸入中断も必要」という立場を明らかにした。もちろん検疫・輸入中断は消費者の不安をなだめる効果がある。しかし長期化すれば世界貿易機関(WTO)提訴など通商摩擦は避けられない。
国内の要求は受け入れて莫大な費用を支払った経験はすでにある。2014年まで開放が猶予されたコメ市場を早期に開放しようという議論が09年にあった。しかし国会・農民団体の反発が激しく、政府はあきらめた。この代価として、5年間に1042億-2136億ウォンの追加費用が発生した。
対外経済政策研究院のソ・ジンギョ研究委員は「牛肉問題でWTOに提訴されれば、安全はむしろ後退することになる」とし「今は30カ月未満の牛肉だけを輸入しているが、国際獣疫事務局(OIE)の規定がそのまま適用されれば30カ月以上の牛肉も輸入しなければならない」と述べた。
チョン・インギョ仁荷大教授(経済学)は「提訴した国の被害に相応する費用を補償したり、それに相当する貿易報復をするのがWTOの原則」とし「国際的な信頼の低下による、目に見えない被害も非常に大きい」と述べた。昨年の米国産牛肉の輸入額は5億6301万ドルで、過去に輸入が多かった場合は8億5000万ドルにのぼる。
韓国外大のイ・ジョンヒ教授(政治外交学)は「与野党ともに不安感を拡散させたり、漠然とした対策ばかり出している。消費者が原産地偽装などを再確認できる牛肉履歴管理法など実質的法案を早期に処理するのが不安を解消する方法」と述べた。この法は第18代国会で処理できなければ廃棄される。
韓国政府、輸入再開時は国会で再議論…家畜法34条3項ジレンマ(2)
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