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【社説】金日成主席の虚妄な100回目の誕生日

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮体制を樹立した金日成(キム・イルソン)主席の100回目の誕生日(太陽節)に合わせ、きのう平壌(ピョンヤン)では大規模な閲兵式が挙行された。金日成広場は人民軍の陸海空軍と労農赤衛隊、赤い青年近衛隊のパレード行列で埋め尽くされた。金主席の孫で3代世襲を完了した金正恩(キム・ジョンウン)は党・政・軍の最高指導者として初めて公の場で演説をした。金主席は地下でこの光景を見守り満足な微笑を浮かべたのだろうか。そう考えるにはいま北朝鮮が置かれている状況はとても厳しい。

数日前に朝鮮中央通信は平壌市内のある病院で患者と医療スタッフが金正恩から下賜された「豚足」を持ち感激に涙を流す写真を公開した。慢性的な食糧不足で北朝鮮の子どもの2人に1人が栄養失調に苦しめられていると把握されている。こうした時に久しぶりに特別食として配給された豚足ひとつで感激できるかも知れないが、これが金王朝3代世襲の結果ならばとても空しいことだ。最近北朝鮮軍は新たに徴集される兵士の身長下限を145センチから142センチに下げたという。142センチは韓国の小学4年生の男子児童の平均身長よりやや大きい水準だ。まともに食べさせることができなかった結果とみるほかない。

それでも金正恩はきのう広場に集まった群衆に向かい、「金日成民族の100年史は波乱が多い受難の歴史に永遠の終止符を打ち、わが祖国と人民の尊厳を民族史上最高の境地に引き上げた」と宣言した。また「きのうの弱小国が堂々とした政治軍事大国に転変し、わが人民は誰もあえて触れることのできない自主的人民として尊厳をとどろかせている」と強弁した。住民を養う金で核兵器とミサイルを作って成し遂げた自称「政治軍事大国」が果たして金主席が夢見た北朝鮮の姿か疑問だ。


1970年代中盤まで北朝鮮は経済的に韓国を上回っていた。しかしソ連と東欧共産圏が崩壊し、計画経済の矛盾に直面した。時代錯誤的な主体(チュチェ)思想のくびきから抜け出し中国のように改革開放の道を選んだならばいまの北朝鮮は完全に変わっていただろう。惜しくも94年の金主席死後に権力を継承した金正日(キム・ジョンイル)総書記が閉鎖的な世襲王朝体制の道を進んだことにより南北の格差は克服しにくい状況になった。いま北朝鮮は世界で最も孤立した国だ。また、最悪の人権弾圧国だ。核心階層の買収された忠誠心と大規模政治犯収容所で維持される体制だ。

金正恩は住民を飢えさせる強盛大国に何の意味があるのか冷静に見回さなければならない。失敗に終わったロケット発射ショーに投じた大金が煙のように消えるのを見ながら北朝鮮住民が何を考えているのかよく考えなければならない。金正日総書記は米国との心理的対決に勝ち合法的な核保有国に堂々と上らなければならないという遺訓を息子に残したという。金正恩がこれに盲目的に従うなら北朝鮮に未来はない。徹底した孤立と住民の苦痛、政権の不安定があるだけだ。ミャンマーに見るように改革開放だけが北朝鮮が生きる道だ。



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