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【取材日記】ソニーはくみしやすい相手ではない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「ソニーはうまくいきそうか?」

電子業界を出入りしながら「LGはうまくいきそうか?」に次いで2番目に多く受けた質問だ。12日に平井一夫社長の就任懇談会に参加した記者の頭の中にもこの質問がぐるぐる回っていた。

韓国でソニーはサムスン電子としばしば比較される。ソニーなど日本の電子メーカーの協力会社として出発したサムスン電子はテレビと携帯電話部門で世界1位に上った。これに対しソニーは下り坂ばかり歩いてきた。ウォークマンとプレイステーションを出し、一時は「アップルぐらい創意的な会社」と言われたソニーが“没落”したという評価も出ている。だが、ソニー内部の見解は違った。


懇談会前に会ったソニーコリアの糸木公広社長は「ソニーは一度も1位を追求したことはない」と話した。それとともに「ソニーの設立趣旨を知っているか」と尋ねた。答は「自由で活発で愉快な、理想的な工場設立」だった。エンジニアがしたい仕事をして出した革新的製品が世の中を驚かせて市場を制覇したものであり、1位になろうとして1位になったものではないという話だった。糸木社長は「そうした面でサムスンとソニーは違う」と付け加えた。

「ギャラクシーS」や「ギャラクシータブ」は価格に対する性能の面で他の追従を許さない。だが、2つの製品ともにアップルの「iPhone」と「iPad」の対抗馬として誕生した。追いつくには抜群だが“元祖”を作れない存在、それがソニーが見るサムスンで、日本が見る韓国だ。

「論語」に「これを知る者はこれを好む者に如かず(知之者不如好之者)、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず(好之者不如楽之者)」という言葉がある。糸木社長の説明通りならば、熱心に勉強し市場に合った製品を効率的に作るサムスン電子は知之者だ。世の中にない新しいものを追求して楽しむソニーは好之者で、楽之者だ。

サムスン電子だけの話ではないだろう。ひとつの基準として1位からビリまで列で並べる韓国の文化は勇気ある果敢な人は量産しても好んで楽しむ人を育てられない。先進国の門の敷居に立ったわれわれに必要な人はどちら側だろうか。平井社長はこの日「エンジニア中心のソニーのDNAを生き返らせる」と宣言した。危機のソニー、依然としてくみしやすい相手ではない。



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